東南アジアで教育支援活動を展開する関西の学生団体のメンバーが、活動の現状や未来への思いをラジオ番組で明かしました。
関西の大学生が中心となっている学生団体「I-RIS」は、東南アジアの国・ラオスに教育支援を行うボランティア団体。自分たちが企画・運営したイベントの収益や、クラウドファンディングで集めた資金をラオスに送り、現地の学校建設や校舎の修繕を行っています。
現在は、関西の大学から117人のメンバーが集まり、インカレ(異なる大学の学生が集まる)形式で交流を深めながら活動しています。
メンバーは、同団体が設立された2012年にさかのぼり、設立の経緯を説明しました。
「当時、ラオスが世界で最貧国といわれていて……。ボランティアの映像を見た先輩が影響を受け、『ラオスに支援をしよう』ということで(設立された)。もともとはイベントサークルだったので、イベントの収益をすべてラオスに送ろう、というところからはじまりました」
ラオスには8000校以上の小学校がありますが、貧困が根強いため、十分な教育環境が整っていない場所も多いのが現実。メンバーはラオスへと足を運び、現地の子どもたちとともに日本の文化を学ぶ授業プロジェクトを行うなど、子どもたちにとって少しでも良い教育環境を提供できるよう取り組みを続けています。
実際にラオスを訪問したメンバーは、その生活環境を「日本の当たり前は通用しない場所」と表現し、「トイレも『洋式がいい』とか言っていられない。青空トイレです」と話しました。
気温が30℃を超えるなか、エアコンや扇風機がない環境で過ごす日々に苦しみながらも元気に暮らす子どもたちの様子に、「日々の生活の恵まれた環境に感謝しなければならない」と実感したのだそう。
「暑さにも負けず元気に遊びまわる子どもたちを見て、日本での生活は当たり前じゃないし、日本で恵まれていることにも感謝しないといけない(と思った)。世界には、そういう状況に置かれた子どもたちがいるということを実感させられました」
I-RISでの活動は、メンバー同士の絆を深めることにもつながっています。実際、ラオスに行ったことでメンバー同士の仲が深まり、帰国後には協力して活動を行う姿勢が一層強まったといいます。
「学生だけで運営することは難しい。でも自分ひとりだけではないので、困ったことがあったら相談する。悩んだことは話して、みんなで取り組んでいくので、なんとかやれているのかなと思います」
「収入・支出も(自分たちで)全部やらないといけない。今日ここ(ラジオ収録)に来ていない副代表兼会計の子がいるのですが、その子がほぼ毎日銀行に走ってくれて。なかなか学生でこんなことしないだろうなというぐらい、すごく頑張ってくれているんです」