――どんな準備をしましたか?
【三宅アナ】 レースはどうなるか分からないし、ラーとメンが全然違うところを走っているのに、無理矢理くっつけてしゃべるのもおかしな話。普通のレースの実況をするのが大前提で、近くにいたり、ゴール前で接戦になったりしたら、“ラーメン”を連想させるようなフレーズを入れようかなと。
普段から心がけているんですけど、準備はしすぎないというか……漠然とは考えているけど「絶対にこれ」みたいなものはなかったです。
――「ラー」と「メン」の意味は?
【三宅アナ】 ラーは(エジプト神話の)太陽神。メンは「面」でラーメンの「麺」ではありません。本来の「ラーメン」ではないのですが、たまたまおもしろい形になりました。
イントネーションも、ラーメンの「麺」なら「メ\ン」(「メ」が高く「ン」で下がる)ですが、「つら」の方なので「メン ̄」(平板)。間違って「メ\ン」と言ってしまわないように、という意識もありました。
2頭が競り合う形になって、ファンの方も期待しているだろうし、「ラーかメンか」「メンかラーか」という感じの実況をしました。
――ゴール後の「メンは伸びきれず3着入線」も注目を浴びました。
【三宅アナ】 「メンは伸びきれませんでした」は、フレーズとして考えていたといえば考えていたかな。「メン」で遊べないかと思ったときに、「メンが伸びる」とか「メンが一気に伸びてきた」とするイメージはありました。
――今後あったらおもしろいなと思う実況は?
【三宅アナ】 園田に「マー」って馬がいて、ラーとメンと一緒に走ったら「マーラーメン」になるって話で盛り上がりました。言葉遊びというか、競馬ってエンターテインメントなので。実況はオフィシャルですから、あまり砕けすぎることはできないものの、真面目に遊ぶというか、ふざけすぎずにちょっと楽しめるような実況をしたいな。
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競馬観戦歴約30年で、1万5000レース以上の実況を経験してきた三宅アナ。レース後には、自身のXで「ここまで必死に笑いを堪えながら実況したの初めてでした」と振り返りました。そのポストは203.6万回表示され、フォロワーも200人ほど増えたそうで、三宅アナは「今までにないくらいバズる状況です」と笑顔でした。
G1実況より緊張した園田6R😅ここまで必死に笑いを堪えながら実況したの初めてでした。15000レース以上喋ってきてもまだまだ刺激的なレースってあるんやなぁ✨
ご馳走様でした 🍜 pic.twitter.com/CaXhbUsAX3— 三宅きみひと (@kitovet) November 26, 2024
2024年の地方競馬界に大きな話題をもたらした三宅アナは、年末年始も園田競馬の実況を担当するとのこと。「例年たくさんのお客さんが来てくださる時期ですし、場内でイベントもたくさんあります。1年の運試し……じゃないですけど、来て楽しんでいただけたらうれしいです」と呼びかけました。開催は12月29日(日)~31日(火)、2025年1月2日(木)~4日(土)です。
(取材・文=立田ノン)