『瓢箪山』を出ると、左に大きくカーブしながら30パーミル超えの坂を上り始めます。秋まつりの布団太鼓でも有名な枚岡神社のある『枚岡』、ここを過ぎると左手に大阪平野が一望できるようになり、『額田』を過ぎるとさらにダイナミックな風景が広がって、遠くにあべのハルカスを臨むこともできます。
生駒山が迫り勾配を登り切ったところが東大阪市最後の駅『石切』です。駅から狭い下り坂の1kmほどに、古き良き石切参道商店街が広がります。ここの石切劔箭(つるぎや)神社は「でんぼの神様」としても名高く、本殿前では多くの人が毎日お百度まいりを行っています。
『石切』を出るとすぐに1964(昭和39)年に完成の長さ3494メートルの生駒トンネルに入ります。ちなみに開業から半世紀を支えた旧生駒トンネル(3388メートル)は、現在、けいはんな線のトンネルの一部に使用されています。長いトンネルを抜けると奈良線の中間拠点『生駒』。けいはんな線と生駒線、生駒ケーブル線はお乗り換えです。
今回は『大阪難波』から『生駒』までの20.3kmをリポートしましたが、次回の近鉄奈良線・後編では『生駒』~『近鉄奈良』間を新車両「8A系」や観光特急「あおによし」とともに取り上げる予定です。(羽川英樹)