「総社」の認知度の高さを象徴する、こんなエピソードも……。
「姫路駅で下車してタクシーで当社へ向かおうとしたとき、『総社へ』と伝えればたどり着けますが、『射楯兵主神社へ』だと、高確率でたどり着くことはできません」(尾崎さん)
すっかり「総社さん」として地元の人たちの暮らしに根差している播磨国総社は、年間を通して様々な祭事が執り行われています。年始めには、毎年元日から家内安全・商売繫昌・会社繫栄・安全祈願などの成就を願う「新春祈願祭」を開催。そして、特に関西地方でおなじみの「えべっさん」は、同神社では1月14日、15日、16日に「総社初ゑびす祭」が行われます。
今年は14日に、福娘が今年の福と笑顔を届けながら姫路駅周辺の商店街をまわる「宝恵駕籠(ほえかご)行列」が予定されています。
『射楯兵主神社史』によると同神社の宝恵駕籠行列は、戦後中断ののち、昭和36(1961)~昭和50(1975)年頃まで続いたものの再び中断。平成8(1996)年、募集した福娘を迎えて復活したことが記されています。令和に入ってからも、新型コロナ流行により規模を縮小するなどの対応に追われましたが、令和5(2023)年に再度復活。今年も執り行われる運びとなっています。
また、60年に一度の「一ツ山大祭」(前回は昭和62年=1987年)や、20年に一度の「三ツ山大祭」(前回は平成25年=2013年)も有名です。
尾崎さんは「現在の御本殿と東西播磨国総神殿は、戦後復興という大変な時に、総社の氏子はもとより播州一円、さらには全国各地からいただいた浄財によって昭和28(1953)年春に再建することができました」と改めての感謝を述べた上で、「このようなお祭りが日々執り行え、ご奉仕させていただけるのも火事などの災いが無いからこそだと思います」と争いや災害のない世の中への願いを語りました。
※1 尾崎さんの崎はたつさき。
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2024年12月22日放送回より