「防災の原点は人とのつながり」被災者が伝えたい“本当に必要な備え” 阪神・淡路大震災から30年 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「防災の原点は人とのつながり」被災者が伝えたい“本当に必要な備え” 阪神・淡路大震災から30年 

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<防災の第一歩は、自分の1日を振り返ること>

――近年は情報があふれすぎていて、「何を備えればいいのかわからない」という人もいると思います。

【秦さん】 便利な生活が当たり前だと、何もないことが想像できないですよね。

私が語り部としてお話をさせてもらうときはいつも、「朝起きて何をしますか」「もしもそれを行うときに、電気・ガス・水道が使えなかったらどうしますか」と質問しています。自分の1日を振り返ってみると、いかに電気・ガス・水道がないと生活ができないのかがわかるかと思います。

――料理を作る、お風呂に入る、トイレに行く……。最低限の生活をするにも、電気・ガス・水道がないと何もできないですね。

【秦さん】 実際に想像してみないと、何もできないことに気づけないんです。想像することで初めて何を備えればいいか見えてくるので、防災の第一歩は自分の1日を振り返ることだと思います。

<ボランティアはハードルが高いものじゃない、どんな人にも必ずできることがある>

――阪神・淡路大震災が発生した1995年は「ボランティア元年」といわれていますが、助けあう優しい心が現代にもつながっているように感じます。

【秦さん】 私自身、阪神・淡路大震災で被災したときに、ボランティアの皆さんに本当に救われました。ボランティアに興味があっても、実際に参加するにはハードルが高いなと思う人もいるかもしれません。でも、「何か力になりたい」という思いがあれば、どんな人にも被災地でできることは必ずあります。

阪神・淡路大震災では、大人たちが救助活動などに翻弄されていたため、ボランティアの若い人が子どもたちの面倒を見てくれてとても助かりました。被災地に来て話し相手になってくれるだけで、気持ちが軽くなる人が必ずいます。

なので、ボランティアの募集などがあって少しでも力になりたいと思ったら、その気持ちをそのままにしないで、ぜひ行動に移していただけたらと思います。

全国から届いた救援物資の数々

取材・文=杉山早希(気象予報士・防災士/南気象予報士事務所)

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