▼デートといえばボウリング
70~80年代当時の若者のデートの定番スポットは、なんと言ってもボウリング。「さわやか律子さん」の愛称で知られる女子プロボウラー・中山律子さんをはじめとしたスターが続々登場した1970年代には、全国で空前のボウリングブームが起こり、若者たちも夢中になったといいます。
「ボウリング場は3時間待ちなんて当たり前で、カップルでも友達同士でも若者達がこぞって通いました。待ち時間も楽しみのひとつで、車の中でラジオを聴いて待機したり、ただ並んでお喋りしたり、その時間に恋が育まれるなんてこともありましたよ」(山田さん)

また、この時代のデートのあるあるとして『オリジナルのカセットテープを作ってドライブ中に二人で聴く』、『デートの最後には、あらかじめ持参した手紙を渡してお礼と次の予定を伝える』『待ち合わせの相手が来ないときは駅の伝言板に行き先を書いて待機する』など、今ではあまり聞かない独特の文化があったといいます。

いずれも、スマートフォンやSNSがない時代だからこその入念な準備と工夫が見られるもの。もし待ち合わせに失敗すれば、例え雨が降っても何時間でも待ち続けるという人も多かったそうです。山田さんは、好きな相手の家に電話をかけるときは、必ず相手の両親が不在のタイミングを狙っていたと明かしてくれました。
▼昭和と現代、実は変わらない“いい恋愛の鉄則”
山田さんによると当時と現在の恋愛事情には、大きな変化があるといいます。
「一番の違いは男女の関係性ですね。昔は男性が女性をリードし、女性はそんな男性に付いていくというスタイルが主流でした。ですが、今ではカップルが対等に意見を出し合うことが当たり前。女性が主導権を持つカップルも増加し、恋愛のスタイルや関係性は本当に人それぞれになっています」(山田さん)
ただし、昭和から現在まで、恋人たちにとって最も大切な“恋愛の本質”は変わっていないと考えているそうです。
「やっぱり、恋愛は思いやりが大切。気になる相手や大切な人の気持ちを尊重して、お互いに認め合うことがいい恋愛の鉄則です。実は、価値観が似ているかどうかは今も昔もあまり関係なくて、自分は自分であると同時に相手は相手であると認めることが、恋愛成就と長続きする恋の秘訣なんだと思います」(山田さん)

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時代は変わっても、恋愛の本質は変わらないもの。先人たちの恋愛の文化を知ることで、昭和を知らない世代の若者も、人間関係の在り方やコミュニケーションの大切さを再認識することができるかもしれません。
(取材・文=村川千晶)
※2025年2月14日放送回より