特にインターネット関連については、「日本国内では消費者は守られているが、ネットは世界につながっている。国内と同じようには守ってもらえないため、ライオンがいるサバンナの真ん中にいるような覚悟で臨んでほしい」と黒田さんは語りました。
さらに大畑さんが実際にVRゴーグルを装着して消費者トラブルを体験しました。体験した動画は過去の事例をもとに作成されたもので、トラブルに遭った被害者目線でのドラマ仕立て。振り返りや専門家の解説までついた、まさに体験型の“教材”と言える内容になっています。
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動画は、世代や立場別に3種類。例えば、高齢者向けの「ご近所に誘われ、催眠商法の被害に遭う」ことを想定した動画は、友人や催眠商法を行う業者が登場し、その距離の近さに「いつか自身の身に起こるかもしれない」と思わされます。
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これらはすべて「消費者力」(=消費者が物を買うのに必要な能力:気づく・断る・相談する)を学べるよう意図して作成されたとのこと。
黒田さんは「“消費者力”を鍛えることが大切」とした上で、「ラグビーと一緒で、消費者力を鍛え日々アップデートすることにより、自身が大きな被害に遭わず、困っている周りの人々を助けることができる」と伝えました。なお各動画は消費者庁のホームページで視聴できます(VRゴーグル不要)。
大畑さんは、今回初めて消費者ホットライン188の存在を知ったそうで、「トラブルに巻き込まれないのが一番だが、巻き込まれた時にいち早く対応できるかが大切。人に知られるのが恥ずかしく、心配をかけたくないと思って相談しないことが、かえって被害を拡大させてしまうのではないか」と分析し、188について「自分自身はもちろん、周りの人にも伝え、そこからさらに少しずつ広まってほしい。まずは家族に伝える」と話しました。

消費者トラブルに巻き込まれた時は、一人で悩まず「消費者ホットライン188」に電話してみることが、個人のトラブル解決だけでなく、社会全体でのトラブル予防にもつながりそうです。
(取材・文=森本真由)