明弘さんは1月12日、恵子さんの65歳の誕生日に、「日本だけの力では解決できないとはっきり分かった。トランプ大統領と協力して、日本の最重要課題である拉致問題解決のために全力で取り組んでもらいたい」と訴えていた。
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五女・絵美さん(59)は恵子さんに対して、「父母は亡くなったが、まだ私たちきょうだいが元気でいる。(恵子さんのみならず、すべての拉致被害者に対して)私たちきょうだいをはじめ、日本国民みんなが帰国を待っているということを伝えたい」と涙ながらに話した。
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長男・隆史さん(62)は、「拉致問題解決のため、最後まで何をするべきかを考えていた父が、再会を果たすことなく亡くなったことは残念でならない。(恵子さん本人が)拉致されたことを悟った時、どういう気持ちだったのか、それを察するとつらい」と声を詰まらせた。
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明弘さんと嘉代子さんは、恵子さんとの再会を果たせなかった。拉致被害者の親世代で健在なのは、横田めぐみさんの母・早紀江さん(89)1人となった。
石破茂首相は17日の衆院予算委員会で、明弘さんが死去したことを受け、「一日も早い被害者帰国をあらゆる手段を使って実現させねばならない」と述べた。
また、トランプ大統領から金正恩朝鮮労働党総書記への提起が必要だと指摘する一方、「アメリカ頼みではなく、わが国として解決することが内閣の至上命令だ」と訴えた。