なぜこれほどまでにアルゼンチンでマテ茶が飲まれているかというと、まずアルゼンチンがマテ茶の産地であることが大きいのだとか。
アルゼンチンは世界有数のマテ茶輸出国でもあり、マテ茶の人気ブランド「タラグイ」もあります。さらに、アルゼンチンが牛肉の消費量が非常に高い国ということも関係しています。
「国民の多くが肉食に偏った食生活をしているため、栄養を補う観点からも『飲むサラダ』と呼ばれるマテ茶を多く飲むようになりました。これはさかのぼると、ジャングルで暮らすパラグアイの原住民・グアラニ族の人々が野菜がわりに飲んでいたものが元なのだとか。当時のグアラニ族にとってマテ茶は活力の源であり大切な栄養源であり、ついには神としても崇められる存在になっていたそうです」(日本マテ茶協会)
グアラニ族にとって生命の源ともいえるマテ茶は、16世紀以降にはスペイン人の入植者などの手によって広められていきます。そして半世紀ほど前には金持ちのステータスとしても知られるようになり、なんと裕福な家庭にはマテ茶を入れるだけの使用人がいたそうです。
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マテ茶は単なる飲み物というだけでなく、栄養の観点、そして文化的背景や一種のステータスとしても、アルゼンチンの人々に欠かせない存在なのです。
(取材・文=つちだ四郎)
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