竹パウダーの中から偶然見つけたカブトムシの幼虫を成育したことで、県の教育委員会がSDGsの普及・啓発を目的として表彰している「ひょうごSDGsスクールアワード」の最優秀賞を兵庫県立有馬高校(兵庫県三田市)の生徒が受賞しました。
人と自然科・果樹と緑班に所属する3年生の二川翔大さんと担当教諭の入江敏子さんに、受賞までの詳しい経緯や実験結果などについて話を聞きました。
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兵庫県立有馬高校は生徒それぞれの進路や興味・関心に合わせて科目を選ぶことができる「総合学科」と、農業や植物に関する分野を深く学べる「人と自然科」の2学科があります。人と自然科では、2000年から放置竹林を整備する「ナチュラルキープ」という授業を実施したり県立有馬富士公園と連携した里山保全に取り組むなど、受賞前から積極的にSDGsに関する活動を行ってきました。
カブトムシの幼虫を発見したのは、2023年の秋。同校では伐採した竹をパウダーに加工し、集積所に貯蓄するそうですが、授業で竹パウダーを使おうとしたときに、中から幼虫を117匹見つけたのだとか。このとき二川さんは「何か面白いことができないだろうか」と考え、同じ科のカブトムシ好きである山西快弦さんと岡田一志さんと共に、今回のプロジェクトを始動させたそう。
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幼虫を大きなケースに入れて校内に設置してある温室で環境を整えつつ、生徒たちは2つの点に注目しました。
1つ目は「成育する環境」。本来、幼虫は腐葉土の中に生息しているそうですが、二川さんらは“竹パウダーの中から発見された”というところに着目。成虫まで育てることができるのか、実験することにしました。
2つ目は「幼虫のフン」。普段の実習でも使用することがあるという動物のフン。今回は竹パウダーを食べた幼虫が排出するフンの成分分析を行い、植物の生育にどのような影響を与えるのか調査しました。
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