近年、障害や病気などで一般就労が困難な人を対象とした就労支援施設では「工賃の向上」を目的とした様々な取り組みが行われています。その一環として、多機能型障害福祉サービス事業所『みらいおもいけ園』(神戸市長田区)では利用者によるコーヒーの焙煎事業を行っているのだそう。
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同園では、珈琲焙煎事業として「RISUSU COFFEE ROASTERS」というブランドを立ち上げ、今年で3年目を迎えます。「リーススとはラテン語で『笑顔』。我々のキャッチフレーズである『笑顔無限大』から命名しました」と話すのは、支援員の古瀬剛志さん。
「コーヒーを通して笑顔になってもらい、さまざまなヒト・モノ・コトと繋がっていく」をテーマに、良質なコーヒー豆を自家焙煎しオリジナルブレンドを製造している同園。看板の「リーススブレンド」はブラジル豆を中心に、苦味・甘み・酸味のバランスとコク深さにこだわっているといいます。
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同園が珈琲焙煎事業を始めたきっかけは、工賃の低さにありました。
「この事業を始めるまでは単価の安い下請け作業が多く、月平均3000円程でした。工賃向上のために何をすべきかを考えている時に、コーヒーや紅茶の輸入・販売を行う会社の社長と知り合い、コーヒー焙煎についてレクチャーしていただける機会があったことと、作業工程が利用者様の特性にも会うのではと考え、自家焙煎をスタートすることになりました」(古瀬さん)
焙煎事業以外にも、利用者が描いた絵を缶バッジにデザインして販売するアートプロジェクト「Omo!」にも取り組んでいます。
「このプロジェクトでは、当園を含めた3社のコラボレーションからなるTシャツ製作も行っております。古着にオリジナルデザインをプリントして、新たな価値を生みだし販売するというSDGSな取り組みです」(古瀬さん)
Tシャツのボディは古着屋を経営している福祉事業所から仕入れ、プリント加工も他の福祉事業所に依頼しているのだとか。
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