人生の新たな門出を祝う結婚式。日本では地方や家庭単位によって祝い方が異なりますが、これが国単位ともなるとその違いはかなりのもの。なかでもインドは結婚式のスケールがとにかく大きく、とても豪華なのだとか。
「インド家庭料理 ラニ」(神奈川県横浜市)のハリオムさんに、同国の結婚式事情について教えてもらいました。
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まずインドの結婚式で注目すべきなのはその「期間」です。日本ではほとんどの場合、1日で式が終わります。ですが、インドではできるだけ省略したとしても1週間かかるのが普通だといいます。同国では、結婚式や両家を集めた披露宴の前後には儀式やパーティーがあり、すべて通して実施すると1か月かかることも珍しくないのだとか。
「過去に私が見た式では親戚の女性だけが集まって結婚を祝い、徹夜で歌い踊るパーティーがありました。主役である新郎新婦が不在であっても盛り上がる派手なものです。ほかに新婦の兄弟が新郎に挨拶をしに訪れる儀式、親族の長老からマハラジャの冠を授かる儀式など、さまざまな儀式が存在しています」(ハリオムさん)
なんと、新郎が全身にターメリックを塗って体を清める儀式も存在。 これはインドにおける生命科学「アーユルヴェーダ」が由来とのことで、結婚前に身体をキレイに清めるという意味合いがあるそうです。
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披露宴当日は、自宅から会場までを大名行列のように練り歩く「パレード」がおこなわれます。 大きな発電機を積んだトラックが先導し、行列はド派手な電飾でデコレーションされます。
「パレードにはマーチングバンドも参加します。私が参列した式には、バンドだけでも50名が参加していました。 しかもほぼ真夜中という時間帯にもかかわらず、大音量で演奏していた記憶があります。先頭ではマハラジャの衣装に身を包んだ新郎がで白馬にまたがり、まるで有名テーマパークのライトアップパレードのようでした」(ハリオムさん)
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