落語家の桂そうばさんが、フリーアナウンサーの清水健と落語家の桂米舞(かつら・まいまい)がパーソナリティーをつとめるラジオ番組に出演。3月20日(木)に控える、襲名披露について語りました。

桂そうばさんは、桂ざこばさんの弟子。このたび、同じ一門である桂ちょうばさん、桂そうばさんとともに、それぞれ「二代目桂力造」「四代目桂米之助」「二代目桂惣兵衛」を襲名します。3人同時の襲名は51年ぶりで、襲名披露公演は3月20日(木)に予定されています。
「やっぱり大先輩なので」と話す米舞は、紹介の時点で噛みそうになるほどの緊張ぶり。そうばさんについては、「ほんまにお優しいです。もうめっちゃ大好きな先輩で、めっちゃ落語がおもしろい。そうば師匠の落語が大好きで、いつも仕事を忘れるくらいに(舞台の)袖で笑い転げてるんですよ」と憧れの存在であることを明かした。

今回の襲名にあたって、「各所へのあいさつまわりが大変だった」と語るそうばさん。同時襲名する3人と、米朝事務所のトップ・桂南光さん、ざこば一門筆頭・桂塩鯛さんの5名で、何か所ものテレビ局やラジオ局などをまわったそうです。
「僕ら(同時襲名の3人)はね、まだ46歳なんですけど、南光師匠なんかもう74歳とかで。ラジオ局とか新聞社をいくつもまわるというのは、体力的に結構大変やった。で、毎回、どこでもお茶をくれはんねやんか。最近は、お茶を入れるんじゃなくてペットボトルをくれるからさ、袂(たもと)とかに入らへんねやんか。大変やからな、ほんまに」(そうばさん)
「襲名する重みを感じるか」との質問には、「僕の感覚からすると、なる前から感じてたらおかしい」ときっぱり。「世界チャンピオンになってないのに世界チャンピオンの気持ちだったら、そいつらはアホやん。(チャンピオンの気持ちになるのは)なった瞬間からでしょ」と続け、襲名前の現時点では特に重みは感じていないことを明かしました。
福岡県福岡市出身で、実家は歯医者を経営しているというそうばさん。高校時代は長崎県で過ごし、その後、兵庫・神戸の大学を卒業。落語に出会ったのは、関西で暮らすようになってからだといいます。
「(大学生になるまで)落語を聞いたことがなく、人生で1度も興味がなかった。というか、たぶん、『落語』という単語すらも聞いたことがないと思う。九州の福岡では、(落語家が)あんまりテレビとかに出てないんですよ。だから、ざこば師匠も知らなかった」(そうばさん)
落語についてまったく知らない状態で関西に来たそうばさんは、あるとき、ざこば師匠の一席を聞いて衝撃を受け、入門を目指したそうです。
当時、すでに大学を卒業し製薬会社に勤めていたこともあり、家族は大反対。ところがなんと、吉幾三さんと仲が良いという人が近所に住んでいたため、そこからざこばさんへの紹介を頼み、弟子入りが叶いました。
当時について、そうばさんは「人に恵まれている。運も、たぶんめちゃくちゃいいしね」と振り返りました。