中将タカノリ 14年ぶりニューアルバム 神戸に住んで実感した“街がかかえる哀しさ”がテーマに | ラジトピ ラジオ関西トピックス

中将タカノリ 14年ぶりニューアルバム 神戸に住んで実感した“街がかかえる哀しさ”がテーマに

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 一方、4曲目に収録されている『ツイート・ツイート』は、中将の原点の一つ、ロカビリーを扱ったもの。「作った当時はまだ『X』じゃなくて『Twitter』だった。すでにSNSの誹謗中傷は大きな問題になっていたし、一人の人間の是非を大衆が断罪してしまうリンチ的な体質も気になっていました。本来はたとえ罪を犯した人でも、一方的に人格否定されてはいけないと思うし、一分の理のようなものはあると思う。身近にもSNSの誹謗中傷に巻き込まれた人がいたので、そういう思いを元に作った曲」と、実社会の課題にも焦点を当てたとのこと。

 ムーディーな曲調で、トランペット、トロンボーンが入ってブラックミュージックみも感じさせる5曲目の『身のほど忘れ』については、「最近、『底辺女子』みたいな言葉がありますが、生い立ちからすでに恵まれなくて、経済的にも人間関係でも負の連鎖に陥ってしまっている人って確かにいるもの。恵まれている人は気が付かないかもしれないが、世の中にはそういう人も存在するんだということを歌いたかった」と吐露します。

 6曲目の『キスしただけの人』について、橋本から「『キスしただけ』というのがいい。すごく甘酸っぱくてタイトルを見た時からどんな曲なのか気になっていた」と言われると、「そう思ってもらえるとうれしい」と中将。「『キス』が別のものに置き換わるとたいてい変な感じになっちゃうので、我ながら絶妙だなと(笑)」と自画自賛の1曲は、テーマが「『生まれた場所も名前も 私たちに関係ないわ』という歌詞」にあるのだとか。

 8曲目の『花ざかりの街』は、それまでと雰囲気がガラッと変わり、昭和歌謡・昭和ポップスの専門家でもある中将らしく、昭和当時の空気感を感じさせるメロディーやサウンドが散りばめられています。「これはどちらかと言うとシティ・ポップとかに近い。音楽は昭和オマージュ、メッセージは現代にというのがコンセプト」。

 アルバムのラストに収録されている曲『たびだち』には、「ただ哀しく終わるだけじゃなくて、希望を感じながら終わりたい。現代社会へのエールみたいな思いを込めた」。描写としては海から見た神戸の街を表現したいという思いから、「船のデッキに立つ女性の先には水面があって、カモメが飛んでいて、さらにその先には街や山が見えるという感じ」と、神戸らしさを詰め込んだ1曲で締めくくられています。

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中将タカノリ・橋本菜津美の昭和卍パラダイス | ラジオ関西 | 2025/02/28/金 21:00-21:30

放送後1週間聴取可能、エリア内無料 radikoプレミアム会員はエリア外聴取可

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