加えて、ジュースはむし歯以外の病気のリスクを高める可能性があるといいます。「スウェーデンのルンド大学が発表した最近の論文では、甘い飲み物は焼き菓子などよりも砂糖摂取量が多いことなどを挙げて、心血管疾患を発症させるリスクが高いと述べています。むし歯因子の『時間』の観点からみると、砂糖はその量だけでなく回数に注目することが重要になります」と小林先生。

小林先生いわく、むし歯を予防するには「甘いものの摂取量」に気を付けるべき、とのこと。
「世界保健機関(WHO)は、肥満やむし歯を予防するために砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満、平均的な成人で25グラム程度に抑えるべきだとしています。間食をする際は、砂糖の含有量と併せて『口腔内に停滞しやすいものかどうか』に気を付ける事が大切です。また、糖類の頻回摂取を避けるためにジュースは常飲せず、糖類を含まない水やお茶も積極的に飲むようにしましょう」(小林先生)
最近はシュガーレスや代用甘味料を使用した食品も多く、全身の健康維持のためにも「糖分摂取に無防備になりすぎないことが大切」だと小林先生は教えてくれました。
他にも、歯磨きやデンタルフロスの使用により口腔衛生状態を良好に保つこと、フッ素の活用によって歯質の強化を図ることで、確かなむし歯予防効果が期待できるとのことでした。

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辛いむし歯にならないためにも、甘いものを口にするときは量や頻度に気を付けて、歯磨きを忘れないことが大切ですね。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年3月11日放送回より