全国各地の民謡を現代の感覚で作編曲し、次世代へと繋げる3人組アーティスト・MIKAGE PROJECT。同グループから佐藤公基、本間貴士の2人が、このたび、ラジオ番組に出演。 自身らの活動について語った。
※聞き手=ラジオ関西『Clip』月曜日パーソナリティーの近藤夏子(シンガーソングライター)とタケモトコウジ(ラジオDJ)

2020年12月に結成されたMIKAGE PROJECTは、佐藤公基(尺八)、浅野祥(津軽三味線・唄)、本間貴士(二十五絃箏)の3名による民謡再編成プロジェクト。メンバーは、和楽器の可能性を追求しながら活動してきた実力派ばかりだ。“日本各地にある民謡を温め直し、次世代に継承する”という活動が注目を集めている。
【タケモトコウジ(以下:タケモト)】 お2人とも真っ黒な服装ですが。
【佐藤公基(以下:佐藤)】 たまたまなんです。私服はだいたい真っ黒なんですよね。
【本間貴士(以下:本間)】 そうですね。
【近藤夏子(以下:近藤)】 衣装か、イメージカラーが黒なのかなと思うくらいお2人とも真っ黒ですけど、違うんですか?
【佐藤】 違うんです。黒が無難なだけで。
【本間】 衣装も黒なんですけど、日ごろから黒を着ているので「衣装か私服かわからない」とよく言われます。
【近藤】 じゃあ別に普段着がどうとか、衣装がどうとかじゃなくて、単純に黒が楽?
【本間】 悩まない!
【タケモト】 あ、わかる。僕も今日は黒ですから。
【佐藤】 そうですよね。(ラジオ関西の局内を)見回してもみなさん黒ですもんね。

【近藤】 多くの人が「黒は無難」と思って着ていますからね。というか、今日はそんな話を聞くために来てもらっているわけじゃございません!
【佐藤】 あれ、黒の話じゃなかったですか。
【タケモト】 黒が200色あるとかいう話……。
【近藤】 アンミカさんの「白は200色あんねん」じゃない(笑)! ちゃんと紹介してください。
【タケモト】 2020年に結成された3人組の音楽ユニットで、もうひとり浅野祥さんがメンバーにいらっしゃいます。日本各地の民謡を現代の感覚で再構築し、次の世代に継承をしているということですが、海外にも発信しているんですよね?
【近藤】 海外人気すごそうですね!
【本間】 昨年はアメリカとメキシコで公演をさせていただきまして、今年もこれから3月にペルーに行きます。
【佐藤】 ある意味、日本より需要があるかもしれないですね。いま、日本の文化を求められているというか。
【近藤】 日本の文化が、海外でここまで価値が上がると思っていなかったですよね。
【タケモト】 “侍”が世界で評価されたりね。
【本間】 あと、アニメもそうですよね。
【近藤】 日本人のもったいない点が、日本のいいところにあまり気づいていないところ。逆輸入じゃないけど、海外の人から日本のいいところを教えてもらうことが多いですよね。
【タケモト】 ちなみに、和楽器の担当はどうなっているんですか?
【佐藤】 私が、尺八と篠笛(しのぶえ)、お囃子(はやし)と鳴り物とかもします。それから、本間さんがお琴で、浅野祥さんが津軽三味線・唄という担当になっていますね。
【タケモト】 今日は、スタジオに尺八をお持ちいただいているんですよね。
【佐藤】 お琴は大きくて持ち運びが難しいので、尺八だけなんですけど(持ってきました)。尺八は真ん中で折れるのでコンパクトなんです。
【近藤】 私、尺八初めて見たかも。
【佐藤】 竹をくり抜いて穴を開けているだけなので、すごくシンプルなんです。
【タケモト】 すごく使い込んでいる感じがしますね。
【近藤】 これって、笛?
【佐藤】 はい(笑)。
【タケモト】 尺八は笛でしょ(笑)。
【近藤】 口でふーって吹いて鳴るんですか?
【佐藤】 そうですね。サックスだとリードを噛むんですけど、尺八はエアリード楽器なので、息をエッジに当てて空気を振るわせて音を出します。唇がリードになるので、風の音みたいなのも入ってくるような感じですかね。
【近藤】 いま音を出してもらうことはできるんですか?
【佐藤】 はい、できます。
(尺八の演奏をする)

【佐藤】 いま演奏したのは、兵庫県の民謡で『灘の酒造り祝い唄』という曲です。
【タケモト】 この曲、酒開きで聴いたことがあります。いま、西宮市内の5つの酒蔵で土曜日に「西宮酒開き」というのをやっていて、伝承として歌を披露するステージで聴きました。
【佐藤】 民謡のなかでは、結構有名な曲ですね。
【近藤】 いやあ、この楽器いいですね。
【佐藤】 良かったです。ありがとうございます。