期間中は「無礼講」とみなされ、お酒を飲み羽目を外す若者たちもたくさん。そのため、子どもや女性の外出を禁止する家庭もあります。アリさんもインドに住んでいた頃は、ホーリーの期間を外して移動するようにし家でじっとしていたといいます。
「窓からみんなが粉や水をかけあうのを見るのは楽しいのですが、水鉄砲や色粉、水風船が売り出されはじめると外出が怖くなるので『そろそろホーリー祭が始まる』と少し憂鬱になった記憶もあります。昔はスパイスや天然材料の色を使っていましたが、近年では安くてカラフルな色粉が買えるようになったので問題も多くなりました。あまり質の良くない粉を使うため、肌荒れを起こしたりするケースもあるそうです」(アリさん)
そういった危険を避けるため、あえて家の中でだけホーリー祭を楽しむケースも珍しくありません。家でのホーリー祭は身内だけで水をかけあったりお菓子を食べたり、屋上や庭でワイワイ過ごしたり、こちらはいたって穏やかなものなのだそうです。
☆☆☆☆
今年のホーリー祭は3月14日。ですがホーリー祭は当日だけのお祭りではありません。なんと1週間ほど前であっても水をかけられる可能性があり、いつカラフルな水や粉をかけられても良いように、あらかじめ汚れたTシャツやジーンズを着て備える人もいるそうです。
「すでに色で染まったシャツやジーンズを着まわしている人もいました。毎年、男性たちが汚れた服を着始めるとそろそろ気をつけないとな……と思っていました」とアリさん。インドを旅する際は、日程をチェックしてのぞむ必要がありそうですね。
(取材・文=つちだ四郎)



