動画は八尾市の出展を多くの人に知ってもらうための課題解決策でもあったと、米田さんは振り返ります。
「PRをする際に『あくまで万博がテーマであり、性別や世代などターゲットを絞れないこと』『海外の人にも興味をもってもらうために、言葉の壁を超える必要があること』『広い会場の中でブースまで足を運んでもらうこと』という3つの課題がありました。これらをクリアするためには感覚的な興味・共感を持ってもらえるコンテンツが必要だと考え、音楽の力を使うアイディアが浮かびました」(米田さん)

そもそも、なぜ 「河内音頭×City Pop」なのでしょうか?
「City Popについては80年代の日本で流行った音楽ジャンルであり、近年の海外で人気になっていることを知りました。『これは世代・国境を越えて共感を得られる“万博らしいコンテンツ”にピッタリなのではないか』と。ここに河内音頭という“八尾らしさ”を加え、伝統と革新の融合を狙ったのです」(米田さん)

同市は大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオンにある「リボーンチャレンジエリア」で、9月16日(火)~22日(月)で出展を予定しています。ブーステーマに「とにかくさわる博」を掲げ、市内から全13社のものづくり企業が集結し「技術力とものづくりのまち八尾」の魅力を発信するとのことです。
「各社の優れた技術力や他に類を見ない素材、あっと驚くアイデアが詰まった展示物を実際に手に取って触っていただき、楽しみながら体感できるコンテンツを用意したいと考えています。会場内には大型モニターを設けて『オンライン工場見学』も実施し、日頃目にする歯ブラシやフライパン・ボタン・ゴム製品などが作られている現場を紹介します。他にも、自動車部品などの金属製品の端材から生み出すアート作品の展示やものづくり体験ワークショップの実施など、“ものづくりの楽しさ・ものづくりがしたくなる”展示・体験を多数用意する予定です」(米田さん)
今後の目標について、米田さんは「世界のYAO」になりたいと考えているのだとか。
「万博を契機に“ものづくりのまち八尾”の魅力を、日本全国そして世界に発信したい。将来的には世界中から注目される『進化する産業都市』として、その名を轟かせたいという夢を持っています。Yao City Popを通じて『八尾って面白いことしてるな』と感じていただけたらとても嬉しいです」と締めくくりました。
(取材・文=迫田ヒロミ)
※ラジオ関西『Clip』2025年3月5日放送回より