アンドロイド(人間類似ロボット)研究の第一人者として知られるロボット学者の石黒浩・大阪大学大学院教授が、大阪・関西万博(4月13日〜10月13日 184日間)で手がけるシグネチャーパビリオン「いのちの未来」(石黒館)の概要を発表した。

石黒氏が手がけるパビリオンは、大阪・関西万博のテーマ事業「いのちの輝きプロジェクト」を具現化する8つのパビリオン(テーマ館)の1つ。

テーマ館はこのほか、映画監督・河瀬直美氏、データ科学者・宮田裕章氏、アニメーション監督・河森正治氏、生物学者・福岡伸一氏、ジャズピアニストで数学研究者・中島さち子氏、放送作家・小山薫堂氏、メディアアーティスト・落合陽一氏ら8人がそれぞれプロデュースする。

石黒氏がプロデュースするパビリオンは、人間とアンドロイドは未来社会で共存しているのかがテーマで、「太古から現代」に始まり、古代人が土偶や埴輪に命を宿してきた過去を検証する。
次に「50年後(2075年)の未来」でアンドロイドが社会に溶け込む未来を提示する。
そして、「1000年後(超・未来)」で未来の道標を示す、こうした3つのゾーンで構成される。
コンセプトは「いのちを広げる」。石黒氏は「人間は(その他の生物と異なり)科学技術によって、いのちの可能性を未来に広げていく。それをロボットやアンドロイドとともに表現する。みんなで未来を考え、大阪・関西万博のレガシーになれば」と話す。

石黒氏のチームは、構想や研究に3年あまりを費やした。時はコロナ禍真っ只中。この時、XR(クロスリアリティー・現実の物理空間と仮想空間を融合する技術)、VR(バーチャルリアリティー)、メタバース(インターネット上に構築された3次元仮想空間)という言葉がクローズアップされた。
日進月歩で進むテクノロジーを、フィジカルなパビリオンにどのように融合するのが課題だった。
■アンドロイド公開の様子 ※映像撮影・ラジオ関西コンテンツニュース部
■バーチャルパビリオン トレイラー映像
■ダイジェスト動画