「スウェット」と「トレーナー」 違いは? 縮みを防ぐ洗濯のポイントも! 服飾学校の先生に聞いた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「スウェット」と「トレーナー」 違いは? 縮みを防ぐ洗濯のポイントも! 服飾学校の先生に聞いた

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「スウェット」と「トレーナー」という二つの言葉。これまで厳密な違いを意識せず、ぼんやりと同じものを指すという認識を持っていた筆者ですが、皆さんはどのように捉えていましたか? 実際、これら二つの表現に意味の違いはあるのでしょうか。洗濯時の注意点などを含めて、服飾学校の先生に聞きました。

スウェットシャツ

 ずばり、スウェットとトレーナーの違いは何なのでしょうか?

「そもそも『スウェット』は生地の名前で、その発祥の地であるアメリカでは、スウェット生地を使った衣服を『スウェットシャツ』と呼ぶのが一般的です。実は、『トレーナー』という言葉は日本だけで使われている和製英語なんですよ」

 そう解説するのは、1946年に創立された服飾・ファッションデザイン専門学校『大阪文化服装学院』(2026年4月に校名変更予定、ヴォートレイル ファッション アカデミー)教員の久保海斗さんです。

 日本では、“トレーナー"と呼ばれるスポーツの監督やコーチがそれを着ていたことから、そのまま『トレーナー』と称されるようになったといいます。

スウェットシャツを着る監督

 では、アメリカにおいて、スウェットシャツはどのように誕生したのでしょうか?

「1920年代初期、アメリカでスポーツが盛んだった時期に、フットボールウェアを製造していた『ラッセルアスレティック』という会社が開発しました。それまではウール素材を使っていましたが、動きやすさや汗の吸収効率を追求した結果、誕生したのがコットン由来のスウェット生地です」

 今回のお話から、トレーナーという表現は日本固有のものであることがわかりました。さらに、その誕生背景から、スウェット生地が伸縮性や汗吸収に優れた素材であることも明らかになりました。久保先生によると、近年では、カジュアルなスーツスタイルとしてスウェット生地のスーツ商品を発売しているメーカーもあるそうです。

 ちなみに、日本におけるスウェット生地の生産事情を聞いてみると、関西の地も深く関わっているようです。

「最近では、ハイテク技術を取り入れ、品質よりも生産効率やコストパフォーマンスを重視する企業も増えています。一方で、歴史ある会社では100年以上前に輸入した高価な機械を修理しながら使い続けているところもあります。ていねいに作られた製品には、やわらかさや風合いがあり、着ごこちが良いと評判です。また、実は日本のスウェット生地の約40パーセントは和歌山県で生産されているのですが、やはり昔ながらの技法で生地を製造している工場も残っているようです」

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