
そして、2024年3月27日の記者会見で斎藤知事が、男性を『公務員失格』や『うそ八百』などと非難したことは、「本人に精神的苦痛を与えるなどパワハラに該当する」とした。

■おねだり、プロ野球優勝パレード・キックバックは?
このほか、斎藤知事が県内企業から贈答品を受け取ったとされるぎわくについて、「贈収賄と評価できる事実はなかった」としたが、「外形的に見て、斎藤知事による贈答品の要望とも受け取りうる発言が複数件見受けられた」との見解を示している。
プロ野球阪神・オリックスの優勝パレードを巡る補助金の還流疑惑は「キックバックは認められなかった」とする一方、「疑念を持たれてもやむを得ない状況だった」とした。
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報告書は一連の問題の背景として「知事と職員とのコミュニケーションの不足」を挙げている。
第三者委は、「組織のトップと幹部は、自分とは違う見方もあり得ると複眼的な思考を行う姿勢を持つべきだ」と訴えた。

さらに「政治や行政は、少数の優秀なエリートだけで行うものではない。現場の職員が献身的に働くことにより実を結ぶ」とも言及した。
知事に重用されたメンバーは、しだいに同質性が醸成され、中心メンバーとその他の職員との間には分断が進んだと指摘。パワハラの発生や外部公益通報に違法・不当な対応が行われた背景と原因には、知事と職員とのコミュニケーションの不足とギャップがあったとした。

一方で、2021年まで20年続いた井戸敏三・前知事の後を受けて就任した斎藤知事について、第三者委は「県政を刷新したい」との思いが強かったと指摘。
ある委員はラジオ関西の取材に対し、この現状を踏まえ、「兵庫県政の転換期に当たるのではないか。職員のみなさんも、こうした意識のもと、言うべきことを言い、批判すべきことは批判することが大事。ただし、それを受け入れる素地があるかどうか。異なる意見を取り入れつつ発展する組織に変わってほしい」と期待を込めた。