女子サッカー・WEリーグのINAC神戸レオネッサで6年間にわたって社長をつとめ、昨年9月末でクラブを退団した安本卓史氏が、ラジオ番組にコメントを寄せ、近況を報告しました。

3月17日放送のラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』に、ラジオネーム「DJ83(やっさん)」としてメッセージを届けた安本氏。
その前の週の放送で、リスナーから「安本さんが解任されてからのINAC神戸は……」という話しがあったことについて、「解任ではなく、退任です」と否定。そのうえで、現状について、「『今どうされていますか?』といろんなところで聞かれますが、最近は元気にやっていますよ。いくつかの会社で取締役をつとめ、スポーツに携わる仕事も準備中。きっと近いうちに皆さまの前に顔を出すと思います」と、女子サッカー界を盛り上げたアイデアマンは、今後もスポーツに関わっていく意向だといいます。
また、古巣・INAC神戸の戦いもチェックしているようで、「本来は三冠を狙える補強をしていたので、今の位置(WEリーグ第14節終了時点で首位)は当然といえば当然だが、もう少し強さを出せるのでは、というのが私の見立て」と、今シーズンのチーム構成を整えた張本人として、素直な思いを吐露。
ただし、「成宮は勝負強くなった!」と、16日の第14節ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦で2得点を挙げて勝利に大きく貢献した元なでしこジャパン(日本女子代表)MF、チームの主軸を担う成宮唯選手を絶賛していました。
いま、安本氏が特に心配しているというのは、INAC神戸ホームゲームの入場者数。今シーズンのリーグ戦平均では1530人で、これは12チーム中7番目の数字(第14節終了現在)。安本氏退任後、3桁の入場者数を2試合で記録するなど、集客に苦しんでいます。「選手たちが粘り強い戦いで首位をキープしているので、スタッフの皆さんはぜひがんばって、ひとりでも多くのお客さまに来ていただけるような取り組みを打ち出してほしい。陰ながら応援している」と、かつての同志にエールを送っていました。
番組パーソナリティーで、元なでしこジャパンの川上直子氏は、安本氏については、「よく娘さんの試合を見に行ったりしているようなので、今まで過ごせなかった時間を過ごしているのだと思う。子どもと過ごせる時間は限られているし、娘さんも喜んでいるかも」と、家族目線で、これまで激務のなか女子サッカーをリードしてきた安本氏やその家族をおもんぱかっていました。
一方で、安本氏も危惧する集客の問題について、「神戸は都会。土日にたくさんの娯楽があるなかで、女子サッカーを観にスタジアムに来てもらうのは、相当頑張らないと難しいのでは」と述べ、関係者に発破をかけていました。ちなみに、ラジオのオンエア当日の17日には、NHK朝の連続テレビ小説『おむすび』で、神戸の女子サッカーのエピソードがあり、「レオネッサ」の名前が登場。これには感銘を受けていたようで、「いろんな人に(クラブや女子サッカーを)知ってもらえれば」とコメントしていました。
なお、ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』は、3月末をもって番組が終了に。川上氏や、ともにパーソナリティーを務める宮川陽香さん、寺田光さんは一様に番組終了を惜しんでいましたが、川上氏は「私はやっさんに声をかけていただいて(出演を)始めたが、みやはるちゃん(宮川陽香)やヒカちゃん(寺田光)に会えてよかった」と感想を述べたうえで、「ラストまでよろしくお願いします!」と呼びかけていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2025年3月17日放送回より



