現代のビジネス界では、成功の秘訣や経営のノウハウが日々伝えられています。しかし、実際に成功を収めるために「最も重要な要素」とは一体何なのでしょうか?
「経営者塾」を運営する株式会社クワトロ(大阪市中央区)の会長・竹菱康博さんに聞きました。

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竹菱さんは、経営において本当に重要なのは経営者としての「心」や「人間力」であると訴えます。
「経営は常に変化し続けるものであり、今の時代を見て、明日明後日・来年を見抜かないと勝てない」という独自の視点により、竹菱さんは経営を「生もの」と位置づけています。この考えを基として、若手経営者に「昭和の経営精神を令和に生かす方法」を伝授しているのだとか。
中でも最も重視しているのは、「人たらし」という概念。一般的にはやや皮肉めいた表現として使われる言葉ですが、竹菱さんの考えは少し違います。「人たらしとは、まず自らが人を好きになり、そして自分のことを好きになっていただくことだと思う。これは私の哲学の核心でもあります。これにより人脈が広がれば、嫌でも事業はできるのではないのでしょうか」と竹菱さん。
また、竹菱さんは「自分が売り込むことを覚えれば、どんなものも売れる」と言い切ります。それは、50年以上の事業経験を通じて「人となりを売ることができれば、どんな事業も成功に繋がる」ということを自らが証明してきたから。自分を磨き続け、その器が大きくなることが最終的には事業の成功を引き寄せると竹菱さんは語ります。
竹菱さんいわく、経営塾に参加する若手経営者の多くが抱える共通課題は「待ちの姿勢」だといいます。インターネットビジネスの普及により、偶然のヒットで成功を収めるケースも増えましたが、その結果、「次も上手くいく」と勘違いしてしまう若手経営者が少なくないのだそうです。
「経営者のくせに『何か来ないかな』って待っている。来るわけがないんですよ。自分から行動しないと」(竹菱さん)