TOROを完成させたことは空き家活用の実例となるだけでなく、「所有者と希望者をつなぐ役割も果たす」と文香さんは考えています。
また、カフェと併設しているからこそ相談や設計の依頼も気軽にできる場となり、人々が自然と集まるきっかけにもなればと期待しているのだとか。

カフェでは兵庫県産の小麦を使用し米油で揚げ、赤穂の塩がトッピングされた「赤穂の塩ドーナツ」をはじめ、地元の良質な素材を使用したメニューにこだわっています。
「西播磨にはまだまだ知られていない素晴らしいものがたくさんあります。それらを発信する場になれば」と文香さんは語ります。

また、自身の仕事を通じて出会った全国各地の“いいもの”も店頭に並べることで、訪れる人々に新しい発見を提供しています。
最後に、店名の由来を聞きました。
「TOROという名前は、川の流れが穏やかで多くの生き物が集まる『瀞(とろ)』に由来します。その名の通り、地域の人々が集い、憩う場となるよう願いを込めて付けました」(文香さん)。
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古民家の温もりと新しいアイデアが融合したTORO。ここは、街の再生と未来への希望を象徴する存在となっています。
(取材・文 洲崎春花)
※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』より





