兵庫県の斎藤元彦知事が10日、ラジオ関西の番組に生出演し、過去最悪のペースで増加している特殊詐欺への対策強化について説明した。斎藤知事は被害の増加を「放置することはできない」として、県庁内に対策課を設け、今年度から電話機に設置する自動録音機を無償で配布するなど、詐欺被害の減少に全力を挙げる。

兵庫県内の特殊詐欺被害は認知件数、被害額ともに2年連続で過去最悪を更新している。
認知件数は2023年が1224件、24年が1445件と急増。それに合わせて被害額も22億円から32億円に拡大している。とりわけ、「オレオレ詐欺」や「還付金詐欺」の増加が目立っている。被害者の多くが高齢者ということもあり、対策の強化が急務となっていた。
斎藤知事自身も特殊詐欺ではないかと疑われるメールを受けた経験を披露。「対応しないと大変なことになるという文章で、私もびっくりした。よく見ると送り先のメールアドレスがおかしいのだが、不慣れな高齢者の方は、慌ててクリックする可能性もある」と話した。
こうした状況を受け、県は特殊詐欺対策課を新設し、兵庫県警と連携しながら対策強化に乗り出した。高齢者が狙われて電話がかかってくるケースも多く、電話機に外付けで設置する自動録音機3000台を無償で提供することにした。「録音している」というメッセージが流れると、警戒して詐欺犯が電話を切ることがあり、未然に被害を防ぐ効果が期待できるという。
斎藤知事は詐欺ではないかと疑われる電話などがあれば、「お子さんなど周りの人や行政、警察に相談してほしい」と呼びかけていた。
