『家と会話』する未来の暮らしとは アバター・AIで社会課題を解決 大阪・関西万博でも展示 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

『家と会話』する未来の暮らしとは アバター・AIで社会課題を解決 大阪・関西万博でも展示

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、アバターを用いたビジネスを展開するAVITA株式会社 創業者/取締役COO西口昇吾さんが出演。大阪・関西万博での展開や住宅関連企業との協業のほか、未来の暮らしについても話題が及んだ。

AVITA株式会社 創業者/取締役COO西口昇吾さん

 AVITAは、人手不足などの社会課題を解決するためのアバターやAIのソリューションを提供している企業。昨秋開業したグラングリーン大阪北館のコンビニエンスストアでは、アバター店員が接客するシステムが導入されている。

 大阪・関西万博においても、シグネチャーパビリオンでのメタバース展示のほか、会場内複数箇所でアバターによる多言語案内サービスを提供している。

 平田さんの「関西弁は認識するの?」という問いには、「いま対応を進めているところで、万博期間中にはもしかしたら可能になるかも?」と回答する場面もあった。

 AVITAは、長谷工マンションミュージアム(東京)の新たな展示にも参画している。人とAI、アバターが共生する未来のマンションを体感してもらおうというもので、平田さんもアバターのセリフ監修を行った。

『未来のマンション』というテーマの同展示について、西口さんはこのように解説する。

「コンセプトのひとつが、“マンションの擬人化”。家全体が家族と対話するようなイメージです。特定のキャラクターがいるわけではないのですが、しゃべりかけると部屋のスピーカーから声が聞こえてきて会話ができます」(西口さん)

 あくまでも“家が語りかける”という設定で、その姿はない。ノンバーバル(表情や身振り手振りなど)の情報を付加することができないため、いかに“人間らしく”会話ができるかがカギとなった。

 もととなるセリフは西口さんらで制作したが、どうしてもスマートスピーカーに話しかけるような会話の連続になってしまったという。ここで、かつてロボット演劇でタッグを組んだ平田さんの劇作家・演出家としての知見がいかされた。

 平田さんはこの仕事について、こう振り返る。

「声優さんにしゃべっていただくのですが、そもそも“家がしゃべる”という経験を誰もしていないので、正解がわからない。キャラクターがしゃべるわけではないですからね。最初のセリフで世界観が決まってしまうので、1つ目に50分くらいかかりました(笑)。声優さんも大変だったと思います。石黒先生(ロボット演劇で協働した大阪大学教授)ともずっとやってきたことだけど、コンピューターは人間の脳に似せて作られているので、いろいろなコマンドが入力されたときにやはり迷う。その間をそれらしくすると、擬人化が成立します」(平田さん)

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