アフタヌーンティーの“アレコレ”についても教えてもらいました。
●3段の皿にはそれぞれ何がのっている?
「基本的には、下段は『セイボリー』といいサンドイッチなど塩気のあるフードが置かれています。中段は『スコーン』、上段は『ペストリー』といわれデザートなどが盛られています」(藤枝さん)

●どの皿から手をつけたらいい?
「よく質問を受けますが、特に気にすることはありません。先に説明した基本のセッティングですと、『食事』と考えるならば下段から食べるのが自然ではあります。しかし現在のアフタヌーンティーは“見栄え”も重視することから、盛られているフーズの種類はさまざま。『これがマナー!』と必要以上にかしこまる必要はなく、“食事としての順番”を気にしつつ楽しめば良いと思います」(藤枝さん)

2010年台後半から徐々に人気が広がり、コロナ禍を機に爆発的にブームになっていったというアフタヌーンティー。藤枝さんは今後も暫くブームは続くと見込んでいます。
「ホテル業界はランチとディナーの間の時間をどう有効に使うか悩んでいたところ、救世主のように登場したのかアフタヌーンティーでした。お酒の提供も必要なく、密も避けられることからコロナ禍にその人気を加速させてきたなかで、ホテル側もこのブームを終わらせまいと力を入れています。その甲斐もあって、ブームはすっかり定着し、近年では女性の姿だけではなく様々な年齢層の男女が利用しています」(藤枝さん)
また、ヌン活は日本だけのブームではない模様。「数十年前までは本家英国ですら『アフタヌーンティーって古いよね』などと言われ、“あくまでも昔の文化”という認識をされていました。ところが最近になって、英国の若者達の間で良さが再認識されブームとなっています。日本の若者に“昭和レトロ”が受け入れられたのと似ていますね」(藤枝さん)
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「3段の理由」は「効率化」というシンプルな理由だったものの、副産物的に“映えるスタイル”を生み出したアフタヌーンティー。今後、どんな進化をしていくのでしょうか?
(取材・文=宮田智也)
⬛︎藤枝理子さんの著書
『英国流アフタヌーンティー・バイブル』/河出書房新社





