そして忘れてはならないのが、2015年から朝夕ラッシュ時に運行される全席座席指定の「泉北ライナー」です。ゴールドにブルーラインが入った4両編成の列車は、京阪「プレミアムカー」や阪急「プライベース」より先に走り始めた有料座席車両(座席指定料金520円)。『和泉中央』~『難波』を最速29分で結び、『和泉中央』~『泉ケ丘』を各駅に停まったあとは『天下茶屋』・『新今宮』・『難波』にしか停車せず、いまや泉北線の通勤時間帯の救世主ともいえる列車になっています。

さて気になる運賃ですが、これまでは泉北と南海の2社をまたぐため、それぞれに初乗り運賃が加算されてましたが、合併後はそれが解消されます。ただ普通運賃はすでに10年前に一部割引措置が取られていたため、今回は平均7%ほどの値下げにとどまります。
しかし定期は通学が38.8%、通勤は23.5%と大幅な値下げとなります。特に通学定期は『泉ケ丘』~『難波』間だと、『中百舌鳥』で大阪メトロに乗り換えるより南海で直通する方が安くなり、もう日本一高い運賃と言われることもなさそうです。
いまや住民の高齢化・若者離れ・働き方改革などで、泉北線の利用客も30年前をピークに減少の一途をたどっています。かつてのニュータウンはオールドタウンと揶揄されるようになりましたが、泉ケ丘駅前活性化計画やトリヴェール和泉のさらなる発展など新たな吸引力を模索しながら走ることになります。
今年は南海電鉄が創業140年にあたるため、制服もコシノジュンコデザインのものに一新されました。泉北ニュータウンを走りぬけて54年、新生・南海泉北線に乗って大阪第二のニュータウンのいまをぜひ感じ取ってみてください。(羽川英樹)





