バスケットボール経験者だった渋谷さんは、個人スポンサーとして関わる中でクラブの危機を知りました。「地元に債権者の方もたくさんいらっしゃったので、禍根を残したままにはできない……と。全債務を引き継ぐ形で経営に乗り出しました」と話します。その背景には「当事者意識」という強い信念がありました。
「とにかく“自分ごと化”できるかどうかだと思っています。言い訳したり逃げたり、コソコソしてる人生って楽しくない。自分の周りに起こることは全部自分の責任やと思って、やってみようと。全部引き受けようと」(渋谷さん)
チームのため、地域の未来のために常に「当事者」であり続けている渋谷さん。しかし、経営の現場は決して平坦ではありません。なかでもホームタウン・神戸との関係には特に心を砕いてきたといいます。
「神戸の人の目って、ある意味では肥えていて厳しい面もあります。強くないとそっぽ向かれる感じもあります。でもそれが逆に、勝てば熱く応援してくれるということでもあるので、当たり前ですが甘え無しで勝てるチームにすることが大事です」(渋谷さん)

神戸ストークスが西宮から拠点を移してまだ2年目。街に根づくには、まずは「知ってもらうこと」が大切だと言い切る渋谷さん。
「東北楽天ゴールデンイーグルスが仙台に行ったとき、一番効果があったのが“小学生に帽子を配ったこと”だと聞いたんです。通学中にかぶるから自然と地域の人たちの目に入る。『歩く広告塔』になってくれるんですね。すごく参考になりました」(渋谷さん)
今後の運営について問われ、「本当に大変やな~と、ずっと思いながらやっています。チームは現在B2というカテゴリーにいますが、この後『Bプレミア』への参画も決まっている。アリーナも向こう47年間の契約をしており、まだまだ大変なこともありますが全体的には順調に進んでいると言えますね」と渋谷さん。
今後の展望については、Bプレミア参画後「3年で日本一」という目標を持ってチーム全員が動いています。欲を言えば、神戸の皆さんと一緒になって“本当に強いチーム”を作り上げたいなと思っています!」と目を輝かせ、インタビューを締めくくりました。
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー! やってみよう!!』2025年4月21日放送回より





