神戸市長田区と調理食品メーカー「エム・シーシー食品」(神戸市東灘区)は、新商品「神戸長田牛すじぼっかけカレー」を共同開発、8日、その内容について発表した。長田区が区政80周年を迎えたことを記念した取り組みで、区職員や地元の人などの意見を反映して地元名物「ぼっかけ」を生かした長田ならではのカレーが誕生した。
エム・シーシー食品は1954年、長田区で創業。70年大阪万博では各国のパビリオンのレストランにコロッケやハンバーグなどを納品した。開催中の大阪・関西万博でも当時のカレーを再現し、販売している(5月11日まで)。
同社が現在も長田区苅藻通に工場を構えている縁で、区が同社に新商品の計画を持ちかけた。商品化にあたって、区の職員にカレーの味についてアンケートを実施したり、婦人会などを対象に試食会を開いてトッピングの意見を募るなど、地元の力を結集、開発に至ったという。

「牛すじぼっかけカレー」はレトルト食品。箱の中に、同社オリジナルのカレーソース(120グラム)と、牛すじとこんにゃくを甘辛く煮込んだぼっかけ(80グラム)がそれぞれ別のパウチで封入されている。同社によると、カレーはココナッツミルクのパウダーやフルーツペースト、りんごピューレなどを加えたフルーティーな味で、牛すじぼっかけと好相性。7月1日(火)からオンラインで発売し、その後、神戸市内のスーパーや百貨店などでも販売する方針だ。1箱800円(税別)。
エム・シーシー食品の小嶋拓・業務管理部部長は、おすすめの食べ方として、カレーとぼっかけを最初、混ざらないようにごはんにかけることを推奨。それぞれの味を楽しんだ後に両者を混ぜて「相性の良さを味わってほしい」と指南した。

一方、箱パッケージは、神戸市在住の人気イラストレーター・都あきこさんによる描き下ろし。鉄人28号モニュメントや長田神社、大正筋商店街など区の名所のほか、純喫茶や銭湯など下町らしいスポット、そばめしや粉もん、サイダー、ケミカルシューズ、ビーチサンダルなど地元が誇る名物がにぎやかにちりばめられている。イラストについて、都さんは「素朴さや親しみやすさ、人とのつながりの温かさなど、長田らしさを凝縮して描いた」と語り、「(パッケージで)名所や名物を探して楽しんで」とPRした。

長田区の河端陽子・副区長は「今回の取り組みを通じて、長田区が80周年を迎えたことを多くの人に知ってほしい」と話しており、今月10日、同区の若松公園で開かれる「長田フェスティバル」で、商品を試食スタイルで販売。6月以降は区関連のイベントの記念品として配布を予定しているという。





