安井さんに聞くと、「日本でウイスキー産業が本格的に始まったのは1924年以降で、比較的最近のこと。蒸留所で害獣駆除目的で猫を飼う文化はなく、ウイスキーキャットはいなかったようです。そのかわり現代では、スコットランドにならって『PR的な意味合い』で猫を迎え入れている蒸留所があります」という回答が。
近年では倉庫の密閉性が高まったことや衛生管理の技術が向上したことで、ネズミの出現が大幅に減少。それに伴い「害獣を駆除する」という当初の役目は無くなりつつあります。

「現在でもウイスキーキャットを飼っている蒸留所はありますが、以前のように蒸留所内で自由に過ごすというよりは、ビジターセンターなど蒸留所の施設とはやや離れた場所で育てられているケースが多いようです」(安井さん)
オーナーが個人的に飼っている猫が話題となったり、猫のイラストがラベルに描かれたウイスキーが販売されるなど、やはり猫と蒸留所は深い関係にあるようです。
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本来の意味でのウィスキーキャットは姿を消してしまいました。ですが「現在もさまざまな形でその名残が受け継がれていると言えるでしょう」と安井さんは語ります。
(取材・文=つちだ四郎)
【取材協力】
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