赤穂市民病院(兵庫県赤穂市)で2020年、手術で誤って神経を切断され、重度の麻痺や後遺障害が残ったとして、患者の女性と家族が手術を担当した医師らに損害賠償を求めた訴訟で神戸地裁姫路支部は14日、被告と赤穂市(病院側)に計約8900万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

この女性患者(80)は、腰椎の神経が圧迫され、腰から下のしびれや痛みを覚える「脊柱管狭窄症」と診断された。
腰椎を手術した際、執刀した男性医師(47・退職)が、腰の骨の一部をドリルで削ったが、誤って神経を切断したことから、女性の下半身に重い麻痺が残った。
判決で神戸地裁姫路支部は、「女性の腰椎は出血で視認が難しくなっており、ドリルで神経を巻き込んだ」と、医師の注意義務違反を指摘。
病院側の女性に対する説明も、配慮があったとは言えないとした。
この医師をめぐっては、2019年から約半年間に執刀した手術で、2人が死亡、6人に障がいが残る医療事故が起きており、病院側は医療過誤と認定している。
兵庫県警は昨年(2024年)7月、医師を業務上過失致傷容疑で書類送検、神戸地検姫路支部は同年12月、同罪で在宅起訴した。




