「刺激を得たい」という子どものモチベーションは、時として自己制御を上回ってしまうのだそうです。
さて、「成長するためなら思う存分走らせてあげたい」「自由に刺激を求めて欲しい」と感じる一方で、TPOや本人の身の危険などを考えるとそうも言っていられません。こんなとき、親はどう対応すればいいのでしょうか。
「私の場合は、“走っても大丈夫な環境の整備”を優先的に考えます。住宅で周辺への騒音を気にしないといけないのなら、音が響かないようにするため防音マットを敷きます」と矢藤教授。
しかしながら、工夫を凝らすとはいえ限度があるのも事実。そのため、走る以外の“刺激となるもの”を用意するのも一手だといいます。例としては「絵本の読み聞かせ」「静かに遊べるおもちゃを用意する」などの方法が考えられるとのこと。

ちなみに「じっとして」「止まって」などといった命令的な声かけは、咄嗟の危険な場面などで使う“最終手段”なのだそうです。

「声をかけるにしても『やめた後に何をして欲しいのか』を伝えると、子どもには受け入れられやすいようです。例えば、出先でひとりで走って行ってしまうなどの場合には『先に行かないで』と伝えるよりも『隣を歩いて』と伝えると良いでしょう」(矢藤教授)

(取材・文=宮田智也)



