至宝の飛鳥仏2体が同じ会場に 「七支刀」初のCT調査結果も公開 奈良博「超 国宝」展 後期も盛況 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

至宝の飛鳥仏2体が同じ会場に 「七支刀」初のCT調査結果も公開 奈良博「超 国宝」展 後期も盛況

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国宝 観音菩薩立像(百済観音) の前にはとりわけ大勢の人が

 後期展示ではそのほかに清凉寺(京都市)の「釈迦如来立像」(同・985年[中国・北宋 雍熙2年])や伊藤若冲が描いた「動植綵絵 雪中鴛鴦図・大鶏雌雄図」(同・1759年、国[皇居三の丸尚蔵館収蔵])なども披露。

国宝 重源上人坐像 鎌倉時代・13世紀 奈良・東大寺

国宝 地獄草紙 平安時代・12世紀 奈良国立博物館
国宝 金剛般若経開題残巻 空海筆 平安時代・9世紀 奈良国立博物館

 一方、同館は展覧会の目玉の1つである七支刀をこのほど初めてX線CT(コンピューター断層撮影)装置で調査した。七支刀は左右に枝刃を突出させた異形の剣。両面に計62文字の漢字が金で象嵌され、朝鮮・百済の王族が倭(日本)の王のためにつくらせたものである旨が記されている。当時の日韓交流の実態を伝える奇跡の伝世品だ。

 今回の調査でこれまで読みづらかった銘文の一部が鮮明に見えたほか、剣身の断面は厚さ2~3ミリと極めて薄いことも判明。剣身本体に折れや崩壊につながる大きな亀裂はなく、制作から1600年あまりが経過した今も良好な状態であることが確認されたという。詳しい調査結果は、会場のパネルでCT画像とともに公開されている。

国宝 七支刀 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮

表面の銘文(X線CT画像)と釈文  画像提供:奈良国立博物館 ※文字の判読については諸説あり
裏面の銘文(X線CT画像)と釈文  画像提供:奈良国立博物館 ※文字の判読については諸説あり

 三田主任研究員は「鑑賞することで、見る人に純粋な祈りの気持ちが湧き起こってくると思う。祈りは宗教を超えた、人間の根源的な心の動き。その心に向き合って、希望という輝きを持って帰ってもらえたら」と話した。同展は6月15日(日)まで。

◆奈良国立博物館開館130年記念特別展「超 国宝―祈りのかがやき―」
会場 奈良国立博物館(〒630-8213 奈良市登大路町50番地[奈良公園内])東・西新館
会期 2025年4月19日(土)~6月15日(日) 後期は5月20日(火)から
休館日 月曜日
開館時間 午前9時30分~午後5時 入館は閉館の30分前まで
観覧料 一般2200円、高大生1500円、中学生以下無料
問い合わせ ハローダイヤル050-5542-8600

公式サイト

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