元バレーボール日本代表・大山加奈さんが女子スポーツを応援するラジオ番組にて、オリンピック選手としての華やかなキャリアの裏側や現在の指導活動について語りました。

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幼い頃からバレーボールに打ち込み、数々の実績を積み重ねてきた大山さん。小・中・高すべてのカテゴリーで日本一を経験し、オリンピックにも出場しました。
その輝かしい経歴について「すごいね」と言われることも多い中で、大山自身は「本当に幸せな競技人生だったかって考えると、どうなんだろうって正直思ってしまう」と心中を吐露。
「同期の荒木絵里香選手は、本格的にバレーを始めたのが高校からなんです。そこからオリンピックに4大会出場して、妊娠・出産も経験して36歳まで現役を続けた。常に『もっと上手くなれる』という気持ちを持って競技に向き合っていたからこそ、彼女は30歳を超えてもなお心からバレーボールを楽しんでいました」(大山さん)
そんな荒木選手の姿を間近で見ていたからこそ、「小学生の頃から結果を残すことが、本当に幸せなんだろうか」と考えさせられたという大山さん。この気づきが「心身の健康を犠牲にして勝利だけを追求するのは違う」という強い想いにつながり、現在の指導活動へといかされています。
現役を引退したのち、全国各地でバレーボール教室を開いた大山さん。子どもたちに指導を行う中で彼女の心を強く動かしたのは、「苦しそうな子どもたちの姿」でした。
「ミスしてしまった時に監督の顔色をうかがう子どもたちを見て、『これは本当にあるべき姿なんだろうか』と胸が苦しくなりました」(大山さん)
この経験がきっかけとなり、より健全なスポーツ環境を目指す活動に取り組むように。現在は社会人チームの「ヴィアティン三重」でPDM(プレイヤーデベロップメントマネージャー)として選手のメンタルヘルスの向上や引退後のキャリア支援を目的とした面談などを実施。「選手が弱音を吐ける場所づくり」にも力を入れています。




