下を向いてとぼとぼ歩いていると、道路に銀色の四角い金属プレートがあるのを見つけた筆者。よく見ると、赤い矢印に「境界」と記載されている……。

何を示すものなのか気になったので調べてみると、どうやら「土地に関する大事なもの」らしいのです。一体何のためにあるのでしょうか。そこで、土地に関する知識が豊富な「土地家屋調査士」に話を聞きました。
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筆者が見たプレート、正式名称は「境界標」というのだそう。調査士によると「土地の境界点を示すためのもの」で、隣地や道路との境界に設置されるものなのだとか。
「長年にわたり風雲に耐えうる耐久性と堅固な材質」であることが条件といい、プレートの素材は金属だけでなく御影石やコンクリート・プラスチックなど様々あるそう。また設置場所によっては、矢印の他に点や十字などが刻まれているものもあるようです。

境界標の役割は、その名の通り「土地の境界を示し、土地を守る」ことだと調査士は説明。
「例えば、家と家の間に塀があったとします。この塀は『隣家との境界』と思われがちですが、厳密な事を言うと“境界が塀の内側なのか外側なのか”までは判断できません。境界標はこういったことから土地の使用範囲を巡って隣人とトラブルになることを避けるためにあります。また、土地を売却する際に必要な境界明示義務に役立ちます」(調査士)





