恵まれた自然環境の中で子どもたちを育てようという「森のようちえん」活動。日本でも広がりを見せています。
淡路市の「Awaji Kids Garden(AKG)」もその一つ。開園は週末です。ここでは2歳から6歳の子どもたちが、森や山、畑など自然の中で自分のやりたいことを見つけて思い思いに過ごします。子どもたちに自然の中で国際的な体験をしてほしい、地球の中の一員だと思ってほしいと、ここでのコミュニケーションは英語で行われます。

■英語の歌から一日が
一日のプログラムは「イングリッシュタイム」から始まります。15分ほど、外国人スタッフと英語の歌を歌ったり、簡単な会話をしたりして「英語モード」に。そのあと、子どもたちは自然の中、森、山、畑で自分たちの思うままに、何の決まりもない中で思い思いに過ごします。森の中を走り回る子ども、木登りをする子ども、寒い朝、自然にできていた氷を割って遊ぶ子ども・・・それぞれが好きなことをしています。

「日々の生活では、今はこれをする時間、ということに慣れている子どもも多い。そういう子がここに来ると、おもちゃもないし、自然は豊かだけど、どうやって遊んだらいいのかわからない。一日周りを見渡したままじーっとしているお子さんもいます」と話すのはAKGの園長・井上靖佳さん。とはいえ、じーっとしている子どもにスタッフが「こうすれば?こんな遊びは楽しいよ」と声をかけることはせず、子どもが自分から興味を持ものが出てくるまで、一緒に待ちます。
■葉っぱ集めや蟻の家づくり
「そのうちにいつの間にか、揺れる木々を見て、葉っぱがきれい、葉っぱが落ちてきた、いろんな色の葉っぱが落ちてきた。同じ緑の葉っぱでもちょっとずつ違うんだ。と興味をもって葉っぱを集めだしたり、地面に蟻がいるのを見つけて『蟻さんだ!』と追いかけて、蟻のおうちを作ろうとしたり。でもおうちを作るにはどうやって土を掘ろう。指でやっても・・・なかなかできない。でもシャベルはない。どうしよう。枝を使ってみよう。あ、折れた。なぜ折れた?太い枝はどうかな?と自分で考えて試して・・・できた時の子どもの笑顔は、見ているこちらもうれしくなります」と井上園長。

子どもがポリタンクの水を出しっぱなしにすることも。スタッフは「あの子はそうしたかったのでしょう。水がなくなった、また汲みに行かなきゃといつか気づいてくれればいいんです」と、子どものすることを尊重します。
■すべては子どもが主体
ここではすべてにおいて子どもが主体、子ども自身の考えで行動するのが基本です。興味を持ったらやってみる(Motivation)。自由な発想で工夫する(Creativity)。子どものすべての行動を尊重する(Respect)。この3つが柱です。そしてコミュニケーションは英語で行います。



