「保護者からすると自分は(英語を)しゃべれないし、子どももしゃべれない。そんな環境に子どもを入れて大丈夫なのかと不安があるのではないか。そういう声もいただきます」と井上園長。「でもここは英語を学ぶところではなく、楽しく自然の中で遊ぶ所。そこにいる人達がたまたま英語を話していた。日本語も話していいですが、通じないこともある。その時にどうしようと。子どもたちは自分なりに工夫をしていろんなことをためしてコミュニケーションを取ろうとします。いつの間にか単語を発するようになり、センテンスになり・・・4歳の時に全く話せなかった女の子が6歳になるころには自分からネイティブのように話していました。そういう成長を見ると嬉しいです」と話します。

AKGは英語を学ぶ所ではなく、身につける所。「単語」で話す子供たちに、スタッフが「正しいセンテンス」で返事をする。それを聞いて子どもたちは英語を自然に身につけていきます。
AKGに初めて来た当時、英語がある程度できるが思い切り遊ぶことができない4歳と2歳のきょうだいがいました。AKGに通い始めてしばらくして母親から「木登りにチャレンジして、失敗しても何度もチャレンジしている姿にびっくり。あんなにはしゃいで笑って遊ぶ姿を初めて見た。英語も自分の言葉としてすらすら出てくることに驚きました」という言葉をかけられたといいます。

■大切な人の幸せも
「就学前に自分の母語ではない言葉に触れることは、自分とは他の価値観、他の考え方、他のコミュニケーションの仕方があるということを頭ではなく、感覚的に感じられます。つまり壁を感じる前に壁を感じなくなり、自然に多様性を受け入れる心が育つと思うので、小さいうちから外国語に触れてほしかった。私自身アメリカで育った経験があるので英語を選んだ」という井上園長。またアメリカにいた当時に阪神・淡路大震災があり、直接は経験していないものの、今あるものがあすにはなくなるかもしれないということを実感したといいます。「どんな状況になっても自分の力で立て直す。自分の力で幸せを見つける。そして自分の大切な人の幸せも一緒に作る。自分の子どもが生まれた時に、それができるような人に育ってほしい。そして世界のいろいろな文化、違いを受け入れて尊重して、それを大切に思う力を持ってほしいと思ったのがAKG を作ったきっかけ。でもその輪がいつの間にか広がった感じです」。
この「森のようちえん」を巣立った子どもたちは、将来、どんな幸せをつかむのでしょうか。
Awaji Kids Garden
淡路市江井682番地
HP https://www.awajikidsgarden.com/



