人形芝居のはじまりが夢洲に。


大阪・関西万博で5月25日、「はじまりの島、淡路」が開催。
日本最古の歴史書「古事記」に記される、日本のはじまり・淡路島の伝統芸能を発信した。
万博のシンボル「大屋根リング」と淡路人形浄瑠璃がマッチする。
海辺のステージ・ギャラリーEASTでの演目は、国生み神話ゆかりの「戎舞」。淡路人形座(兵庫県南あわじ市)が披露した。


戎神が釣竿をかついでやってくる。神酒の盃を一献飲み干した戎神は、大阪・関西万博の成功と、テーマ“いのち輝く未来社会のデザイン”の実現、淡路島の発展を祈願して、さらに盃を飲み干す。良い気分に酔った戎神は海で大きな鯛を釣り、めでたし、めでたしというストーリー。


「沖は大漁、陸(おか)は万作、商売繁盛 尽きせぬ御代ぞ、めでたけれ」という祝祭感あふれる舞台が展開され、前向きな生き方や善き人生を望む、人間の根幹的な願いを表現している。


厳密に言うと、「戎舞」は人形浄瑠璃とは呼ばない。淡路人形座の吉田史興さんによると、本来はメロディーを形作る語り(太夫)、三味線、人形の3つがひとつとなった総合芸術だが、「戎舞」のメロディーラインは太鼓。人形浄瑠璃が確立する前の芸術で、淡路島特有の演じ方とだという。





