【閉幕迫る】銘仙はロックだ! 花に小鳥、幾何学模様、ゼロ戦も 神戸ファッション美術館で特別展 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【閉幕迫る】銘仙はロックだ! 花に小鳥、幾何学模様、ゼロ戦も 神戸ファッション美術館で特別展

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アフリカ国旗色流水文様 1931~40年 女給さんには大胆な色柄が人気だったという

 そして、銘仙の魅力が「かわいい」「おしゃれ」にとどまらないことが分かるのが最終章「キッチュ」だ。思わず「えっ?」とつぶやいてしまうような、驚きの柄がそろう。中でもインパクトが大きいのは、当時の世相や時事トピックスをデザイン化した作品。「出航風景文様」には昭和初期、あこがれの的だった豪華貨客船「浅間丸」とホノルル港が描かれた。「バレリーナ文様」は1946年、バレエ「白鳥の湖」が日本で全幕初演後に、また「千鳥格子風ペンギン行列文様」は1958年、南極観測隊が日本に帰還した後に制作されたとみられる。

エリザベス女王戴冠式文様 1953~54年

 一方、戦時中はぜいたく品とみなされて材料の多くが使用禁止になった。それまで華やかさを競っていた銘仙はカーキ色を主体とした国防色に変化。文様にもゼロ戦や滑走路が登場した。銘仙の柄は、移りゆく時代の貴重な記録でもあった。

橫段にゼロ戦文様(部分) 1937~40年

 多様な銘仙のルーツは、明治末期の学習院女子部。当時の学院長だった陸軍大将・乃木希典が振袖などの華やかな着物を禁じ、「服装は銘仙以下のもの」と決めたことがきっかけだったという。展示を担当した中村圭美学芸員は「『禁止されたから地味な銘仙を着ましょう』とはならず、自由な発想を糧に銘仙は多彩に花開いた。ここにある着物を見ていると、さまざまな境遇の女性たちがおしゃれで気分を上げ、毎日ちょっとでも楽しく生きていこうとしていた熱い思いが伝わってくる。銘仙はロックです」と語った。展示は6月15日(日)まで。

◆特別展「大正の夢 秘密の銘仙ものがたり」
会場 神戸ファッション美術館(〒658-0032 神戸市東灘区向洋町中2-9-1)
会期 2025年4月12日(土)~6月15日(日)
休館日 月曜日
開館時間 10:00~18:00(入場は17:30まで)
観覧料 一般1000円、65歳以上・大学生500円、高校生以下無料
※本展に限り、和装の人は団体料金(一般800円、65歳以上・大学生400円)適用
問い合わせ 電話078-858-0050

神戸ファッション美術館公式ホームページ

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