平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授が出演。内閣府「ムーンショット型研究開発制度」のプロジェクトマネージャーを務める石黒氏が、大阪・関西万博で提示したシグネチャーパビリオン『いのちの未来』について解説したほか、ロボットやアバターが社会実装される未来について語った。

今回、石黒氏がプロデュースした大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン『いのちの未来』の展示空間では、先端技術を駆使した約30体のアンドロイド、ロボット、アバターが来館者を迎える。
日本人がモノに「いのち」を宿してきた歴史を展示する「いのちの歩み」、人がアンドロイドと共存する50年後の未来を描いた「50年後の未来」、科学技術で進化発展していく未来の人間と出会う「1000年後のいのち“まほろば”」の3つのゾーンから成り、未来の暮らしが追体験できる。
バックヤードは、さながら宇宙戦艦。リモコン制御で多くのロボットを管理している。

パビリオンを見学した平田さんは、開口一番、興奮した様子でこのように語った。
「ストーリー性が非常に高く、単に技術を見せるだけでなく見た人に考えさせる内容になっている。これは今までの万博とは異なる点ですね」(平田さん)
これに対し、石黒氏は以下のように説明した。
「現代のテクノロジーの進歩が早いため、50年前の大阪万博のような“テクノロジーに憧れる万博”ではなく、“テクノロジーを使って未来をどう考えるか”という問いかけを重視した」(石黒氏)
アンドロイドやアバターの技術進化についても触れ、特に指の動きや視線の制御など、人間らしさの表現が向上していることも紹介された。
一般公開はされていないが、石黒氏のアンドロイド「ジェミノイドHI-6(イシグロイド)」は著作やインタビューをインプットしており、石黒氏の代わりに客人の相手をすることもあるという。
石黒氏は、内閣府のムーンショット型研究開発事業 目標1研究開発プロジェクト「誰もが自在に活躍できるアバター共生社会の実現」のプロジェクトマネージャーとして、多くの大学教員とともに新しいアバター技術を開発している。





