一方で、早川の手を離れたところで原型からかけ離れた虎も存在していた。「泣き笑いしたような虎」や「正面を向いた虎」で、他球団が制作したポスターなどに見ることができる。下村学芸員は愛情をこめて「ダメ虎です」。しかし「実は公式の球団旗にもダメ虎がいたんです」と話す。当時はブランド管理という概念が成熟しておらず、現在のようにデジタルによる複製も難しかったため「ダメ虎」が生まれたのではないかという。その「公式球団旗」も会場に展示されている。
また、1907年11月に行われた日本初の有料試合や、1936年大阪タイガース初試合から最近までのチケットが展示されている。それぞれの試合にまつわるエピソードが添えられており、野球の歴史を小さな入場券からも見ることができる。さらにタイガースのユニフォームの変遷も紹介し、2013年から始まった限定ユニフォームを展示するほか、試合結果をデザインとして表現したインフォグラフィックス、そして6月に逝去した長嶋茂雄氏の引退試合(後楽園球場)のチケットや早川による長嶋氏のイラストも紹介する。
なお、タイガースの応援ユニフォーム・Tシャツなど着用した来館者には「ユニフォーム割」がある。(当日一般入場料より100円引き)


■「野球とデザイン-デザインで辿る阪神タイガース」
会期 2025年5月31日(土)~7月27日(日)
会場 西宮市大谷記念美術館(西宮市中浜町4-38)
休館日 水曜日
【西宮市大谷記念美術館 公式HP】




