数か月暮らすうちにすっかり豊岡のまちに魅了された鎌田さんは、地域の文化的土壌に根ざした教育の可能性を日々模索している。
商店街のあたたかさ、地元映画館の魅力、地域の人々との交流を通じて、教育の場が単なる知識伝達の場所ではなく、人間性を育む場所であることを実践的に示していきたいと考える。
鎌田さんが大切にしているのは、“しなやかに生きる”という哲学だ。学生たちには頑張りすぎない柔軟な姿勢を伝えながら、演劇教育の本質的な価値を追求し続けている。
夫が東京で働いているため、東京と豊岡を行き来する2拠点生活を送っている。そのなかで地域の文化と教育の可能性を探る姿勢は、まさに“しなやかな教育者像”を体現している。
平田さんも、「我が校のホープ」と太鼓判を押す。
「20年ほどこの仕事をしていて、苦手な学生も含めて、場を楽しく、参加した人が満足感を持って経験できるようにすることを心がけています。あんまり頑張りすぎると何かあったときにポキンと折れちゃう。揺れながら折れないでいる、そんな考え方を伝えていきたいと思っています」(鎌田さん)
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2025年7月3日放送回より

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『平田オリザの舞台は但馬』
放送日時:毎週木曜日 12:30~12:54
放送局:ラジオ関西(AM 558khz / FM 91.1mhz)
パーソナリティー:平田オリザ、田名部真理
メール:oriza@jocr.jp
『ラジコ』では放送後1週間はタイムフリーでの聴取が可能。番組では、平田オリザさんが、ともにパーソナリティーを務める田名部真理さんと、これまでの自身の話しや演劇界への思い、移住拠点となっている兵庫・豊岡、但馬地域について、トークを進めていく。





