前から気になっていた、ミノムシ。ミノムシって、自分で糸を吐きながら木の葉や枝などをくっつけてかなり頑丈なミノを作り、その中で過ごすわけです。
体をすっぽり覆い隠すようにミノを作り上げるわけなんで、寒い冬にも対応できそうな防寒寝袋のような、いや、それ以上でしょう。断熱材入りの立派な家に住んでいるぐらいしっかりと作り上げているな、と感心して観察していました。

防寒バッチリでしっかり包まれる家のようなミノの中に住んでいるミノムシですが……。ふと、思ったんです。「トイレどないするん?」と。
そうです。あんなにモリモリと葉っぱをいっぱい食べているわけですから、フンもモリモリと……。
失礼いたしました。フンはどうしているのでしょう? まさか、ミノの中に? そうだったとしたら、めちゃくちゃ不衛生じゃないですか!
「いやいや、ミノは体中すべてを包んでいるように見えて、おしり側だけ開いていてそこから器用にフンを外に出しているんちゃうか?」
なんてことを考えながらも、昨年の秋の時点で下からフンが出てきているところを確認できず。謎のまま年を越し、春になったころ、なぜか庭から家の壁へと集まってきていたミノムシのミノの下あたりから黒茶色のもんがモコモコ出てきていることに気づいたんです。

「おーっ!? やっぱりミノの下側から器用にフンを外に出すんや!」と思ってたんですが、いつまで経ってもフンらしきもんが下に落ちない……。しかも、何体ものミノムシのミノの下にフンのようなもんが出ているのに、途中で止まっているんです。
こんなに集団で便秘になるのはおかしいと思い、伊丹市昆虫館(兵庫県伊丹市)の学芸員さんに尋ねてみました。すると、返ってきたのは「ああ、それ、ミノムシのフンちゃいますわ」との言葉。







