野球界で道を切り開いたイチローさん。「今、開けてみたい扉は?」と尋ねられると、返ってきた言葉が「料理」。7か月ほど前から始めたという。
「僕の場合、料理はもがいて扉を開けに行ったんじゃない。気づけばそこに扉があった」と振り返る。

「いつの間にか、下ごしらえや片付けまで好きになった。集中力があるから、どんどんのめり込んでいく。他のことがまったく頭に入ってこない。バターを何グラム使うとか考えるようになるぐらい。ある日、カルボナーラに和えるベーコンを1枚ずつ丁寧に炒めていたら、妻に『職人か?』と言われるぐらい、没頭していた」と近況を話した。
最後にイチローさんは、「僕は早い段階から、野球と出会い、いろいろな扉を開けてきた」と自らのステップアップを振り返り、「最も大きな扉はメジャー挑戦だった。みなさんも、早く好きなことを見つけてほしい。そこにはいろいろな扉がある。どんどんこじ開けて、未来をつかんでほしい」とエールを送った。


プロジェクトでは、イチローさんや俳優・役所広司さん、デザイナー・佐藤可士和さんらが平和への願いを込めてデザインしたTシャツを、ユニクロで販売している。
この日は国連が定めた「世界難民の日」。ペルーに暮らすベネズエラ難民の少年野球チームの様子を映像で紹介。世界で1億2000万人あまりが故郷を追われている実態(2025年4月現在)に触れたイチローさんは難民問題について、「他人事をいかに自分のことにできる、考えないといけない」と、プロジェクトの意義を訴えた。


ユニクロを展開するファーストリテイリングは、Tシャツ販売金額の20%相当を、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)など、貧困や差別、紛争などに苦しむ人々を支援する国際的な団体に寄付している。寄付金額は、2025年1月末までに約20億円に到達したという。

■ベネズエラの野球少年からイチローさんへの質問
■ベネズエラ難民の実情





