国宝23点 各地の貴重な銅鐸が一堂に 神戸市立博物館で特別展 最新調査による“3D銅鐸”も初登場 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

国宝23点 各地の貴重な銅鐸が一堂に 神戸市立博物館で特別展 最新調査による“3D銅鐸”も初登場

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 国宝23点・重要文化財5点を含む各地の貴重な銅鐸がそろった特別展「銅鐸とムラ—国宝 桜ヶ丘銅鐸をめぐる弥生の営み—」が神戸市立博物館(神戸市中央区)で開かれている。国宝「桜ヶ丘銅鐸・銅戈群」(同市灘区)をはじめ、国宝「加茂岩倉銅鐸」(島根県雲南市)や重文「大岩山銅鐸」(滋賀県野洲市)など、1か所に銅鐸が複数埋まっていた事例にスポットを当て、実物展示とともにその意味を考察。最新調査に基づいて製作、初登場した閲覧システムによる“3D銅鐸”も見逃せない。8月31日(日)まで。

神戸市立博物館(神戸市中央区)
展示風景

 銅鐸は、弥生時代の青銅器の祭器で、中国や朝鮮半島からもたらされた鈴や鐘から日本独自に進化した。西日本を中心に各地で出土しており、農耕のまつりに使用されたと考えられている。

 桜ヶ丘銅鐸・銅戈群は、1964年12月、神戸市灘区桜ヶ丘町で土砂採掘作業中に偶然発見された。銅鐸14点と銅戈7点が一緒に埋納され、絵画表現がみられる銅鐸も含まれていたことなどから、1970年、国宝に指定された。

国宝 桜ヶ丘銅鐸・銅戈群 弥生時代中期 神戸市立博物館蔵

 同展では同銅鐸・銅戈群をはじめ、加茂岩倉銅鐸、大岩山銅鐸、さらに重文「柳沢銅鐸・銅戈群」(長野県中野市)、神戸市内で発見された貴重な土器など弥生時代の暮らしを探る上で貴重な資料115件を展示。

 桜ヶ丘銅鐸の特徴の1つは、表面に絵画表現が施されたものがあること。これまで全国で出土した約500点の銅鐸のうち、絵があったものは1割程度、うち4点が桜ヶ丘銅鐸だ。道具を持つ人、四つ足の動物やカマキリ、鳥、魚などの生きものなどが描かれ、当時の人々の生活ぶりが想像できる画として注目されてきた。

 また今展では、同じ鋳型で作られたとみられる「桜ヶ丘3号銅鐸」「加茂岩倉31号銅鐸」を並べて公開。

桜ヶ丘5号銅鐸(複製)の絵画部分 神戸市立博物館蔵  複製によってかつての輝きが戻り、いにしえの人々の様子が分かる絵もくっきりと
国宝 桜ヶ丘3号銅鐸 弥生時代中期 神戸市立博物館蔵
国宝 加茂岩倉31号銅鐸 弥生時代中期 文化庁蔵(島根県立古代出雲歴史博物館保管)
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