夏休みは星空観察!惑星と月 そしてペルセウス座流星群 肉眼でも大丈夫 2025年夏休みの星空散歩 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

夏休みは星空観察!惑星と月 そしてペルセウス座流星群 肉眼でも大丈夫 2025年夏休みの星空散歩

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 2025年の夏は、月と惑星の競演が熱い!日ごとにその形を変える月に、惑星がかわるがわる近づく。7月は、日の入り後の西の空に火星。夜遅くになると土星が東の空から昇る。日の出前の東の空には、ひときわ明るい「明けの明星(金星)」が輝く。

 7月28日から29日にかけては、新月後の細い月と火星が宵の西の空で見える。同じ時間帯で観察すると、その位置の変化もわかる。火星はこの後徐々に高度を下げていくため、観察は難しくなる。2025年の宵の空で月と火星が一緒に見られるラストチャンスになる。

画像提供:明石市立天文科学館
画像提供:明石市立天文科学館

 8月には、12日から13日にかけ金星と木星が「ふたご座」の中で寄り添い、12日には月と土星が近づく。金星はこの時期も惑星の中で最も明るく、木星は2番目に明るいマイナス1.9等。肉眼でも見えるが、双眼鏡を使っても同じ視野に入るほど近づく。また12日から13日にかけては、夏の風物詩・ペルセウス座流星群が観測のチャンスとなる。

 三大流星群のひとつ・ペルセウス座流星群は、8月13日5時ごろに極大と予想されている。この時間帯はすでに明るくなっているため、観測のチャンスはその直前、12日深夜から13日未明にかけてとなりそう。条件がいい所では1時間に30個ほどが期待できるが、今年は月明かりがあるため見えるのは例年より少なくなると予想されている。とはいえ、月明かりのもとでも見えるということは、街灯りがあっても見えるはず。ペルセウス座流星群は、速く、明るい流星が多く、痕を残すものも多いとされるから、街中でもチャンスはありそうだ。

 7月31日にはみずがめ座δ(デルタ)南流星群が極大に。月の条件はまずまずで、1時間に5個程度が期待できる。

 毎年、変わらず夏の夜空に輝く星も。7月の東の空には夏の大三角、南の空にはさそり座が見える。

 夏の大三角はこと座のベガ、わし座のアルタイル、そしてはくちょう座のデネブの3つの星をつないでできる三角形。ベガは織姫星、アルタイルは彦星とも言われる。はくちょう座は十字の形をしており、南十字に対し北十字と呼ばれることもある。デネブははくちょうのお尻の辺りにある。この夏の大三角から天の川を南に視線を移すとさそり座にあたる。

 さそり座は、全天88星座の中で4番目に大きい星座でS字型に星が並ぶ。さそりの心臓にあたる部分で赤く輝くのは1等星のアンタレス。「火星に対抗するもの」という意味を持つ。日本では、昔、「赤星」「酒酔い星」と呼ばれていたほど赤い色をしている。火星と並ぶと、その色を比べてみてもいい。直径は太陽の230倍もある巨大な星だ。さそり座を見つけるには、このアンタレスを手掛かりに南の空の低い所でSの並びを探すといい。

 さそり座付近には星団が多い。中には肉眼で見えるものもある。さそりの尾の先には2つの大型散開星団がある。肉眼でもボーっとした光を見つけることができる。双眼鏡を使うと見えるのは、アンタレス近くのM4球状星団。球状星団として地球に最も近い天体と考えられている。尾の付け根にあるミュー(μ)星は重星で、競い合って瞬いていることから「相撲取り星」とも呼ばれる。また頭付近には小型の球状星団がある。星が密集しているため、こじんまりとして1つの恒星のように見える。いずれも双眼鏡で観察可能。

 さそり座のアンタレスの東に目を移すと、北斗七星に似たひしゃく型の6つの星がある。いて座の一部で「南斗六星」とも呼ばれる。

 さて、伝統的七夕は8月29日。2011年から30年までの20年間で最も遅い「七夕」となる。2025年、近畿地方では6月中に梅雨が明けたが、現在の暦では7月7日は梅雨の時期が多く、星も見られないことが多い。そこで国立天文台は2001年から、梅雨がすでに終わった時期にあたる太陰太陽暦に基づく七夕を「伝統的七夕」として、広く呼びかけ、灯りを消して夜空に目を向けるよう呼び掛けている。

 明石市立天文科学館の井上毅館長は「都会でも夜空には星が光っています。街灯が直接目に入らないようにするなど工夫すれば天体観察は楽しめます。山の中のような星の綺麗なところで観察するときは、月明かりのない時を選ぶと良いでしょう。プラネタリウムで予習するのもおすすめです。夏はゆっくり星の観察をする時間を作りやすい時期。良い思い出を作ってください」と話している。 

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