
締めくくりの第3章「追憶の20世紀」では、20世紀の北米やエジプト、中国の地域色豊かな文化を回顧。中国・北京で同世紀前半頃まで存在した、絵や模型、時には商品の現物による店の看板「幌子(ホァンツ)」を集めたコーナーは、100年前の北京の街角を歩いている感覚に陥る。

内覧会に出席した写真家の石川直樹さんは「芸術とは生きるための技術。ここにある装飾や意匠は単なる美しいものではなくて、人間が生きること、生活に根ざした技術の結晶だ。美術館でなく博物館で、芸術の核心、根源に触れることができ、芸術と接続できたことがとても面白かった」と、熱っぽい口調。奈良国立博物館の井上洋一館長は「世界では今、それぞれが持つ価値観の違いによって、不幸な争いが起きている。この展覧会が、多種多様な歴史と文化に気付くきっかけとなり、他者を認めることにつながっていけば」と期待を寄せた。


◆奈良国立博物館開館 130年・天理大学創立100周年記念特別展「世界探検の旅―美と驚異の遺産―」
会場 奈良国立博物館(〒630-8213 奈良市登大路町50番地)東西新館
会期 2025年7月26日(土)~9月23日(火・祝)
休館日 8月4日(月)、18日(月)、25日(月)、9月1日(月)、8日(月)、16日(火)
開館時間 9:30~17:00 毎週土曜と8月5日(火)~15日(金)は19:00まで。いずれの日も入館は閉館の30分前まで ※「摩訶不思議アワー」は毎週土曜と8月5日(火)~15日(金)の17:00~19:00、毎週日曜15:00~17:00実施
観覧券(税込) 一般1800円、高大生1300円、中学生以下無料
問い合わせ ハローダイヤル050-5542-8600
展覧会公式サイト https://art.nikkei.com/tanken/





