エネルギー事業の裏に“町工場”の存在 寸分の狂い許さぬ「巨大部品加工」を兵庫姫路のメーカーが解説 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

エネルギー事業の裏に“町工場”の存在 寸分の狂い許さぬ「巨大部品加工」を兵庫姫路のメーカーが解説

LINEで送る

この記事の写真を見る(3枚)

 原発の再稼働や新型炉の開発がニュースを賑わせていますが、実はそれらに欠かせないのが“町工場”の存在です。兵庫県を拠点に原子力や発電設備向けなどの大型製品機械加工を手がける中小企業のひとつ、「株式会社フクトク」(本社:兵庫県姫路市)社長の福田梓さんに話を聞きました。

高砂工場外観(提供:株式会社フクトク)
高砂工場外観(提供:株式会社フクトク)

☆☆☆☆

「原発が動く」と聞くと、多くの人が発電そのものに注目しますが、その稼働を支えているのは多くの巨大な設備。例えばタービンやコンプレッサー、そして燃料を安全に保管・運搬するための輸送容器などがそれに当たります。同社はこれらに使われる大型部品の加工を専門とする企業です。

 いずれも量産ではなく全てオーダーメイドの“一点モノ”であり、製品ごとに異なる加工対応が発生します。求められる精度はミリメートルの100分の1単位。製品が大きくなるほど、わずかなズレが全体に与える影響も大きくなるため、高度な技術が必要に。精密さとスケールの両立が必須とされます。

「同じように見えても、まったく同じ部品はほとんどありません。技術者の知識と判断力が不可欠です」と福田さん。現在、最も注力しているのが原子力発電関連の部品加工。新型炉の開発や既存原発の再稼働が進む中、その需要は今後さらに高まることが見込まれているといいます。

高砂工場内観(提供:株式会社フクトク)
高砂工場の内部(提供:株式会社フクトク)

☆☆☆☆

「AIの進化のためには膨大な電力が必要ですし、脱炭素社会を目指す中でも原子力の役割は大きいと考えています」と話す福田さん。技術の進化とともに、大きく変わろうとしているエネルギーの在り方。その裏には、私たちが普段見ることのない緻密かつ繊細な“巨大部品の世界”があったのです。

中央:株式会社フクトク 代表取締役社長 福田梓さん 左:パーソナリティの谷五郎 右:アシスタントの洲崎春花
(左から)パーソナリティの谷五郎、株式会社フクトク代表取締役社長の福田梓さん、アシスタントの洲崎春花

(取材・文=洲崎春花)

※ラジオ関西『谷五郎の笑って暮らそう』2025年7月27日放送分より

LINEで送る

関連記事