「舞台を変える、世界を変える」 芸術文化観光専門職大学の1期生 ダンサー・櫻井拓斗の挑戦 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「舞台を変える、世界を変える」 芸術文化観光専門職大学の1期生 ダンサー・櫻井拓斗の挑戦

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 平田オリザさん(劇作家・演出家)のラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、ダンサー・演出家の櫻井拓斗さんが出演。これまでの経歴や現在の活動に加えて、今春卒業した「芸術文化観光専門職大学(以下、CAT)」(兵庫・豊岡市)での生活について語った。

ダンサー・演出家の櫻井拓斗さん(Photo by Kenji Seo)

 群馬県出身の櫻井さんは、平田さんが学長を務めるCATの第1期生。この春卒業し、プロダンサー・演出家として早くも活動の場を広げている。

 3人兄弟の次男として生まれた櫻井さん。母親に連れられて初めて観た、近藤良平氏率いる『コンドルズ』の公演に感銘を受け、7歳でコンテンポラリーダンスをはじめた。

 2010年、わずか8歳で『コンドルズ振り付けコンペティション』最年少優秀賞を受賞するなど、早くから卓越した才能を発揮。高校ではダンス部に所属し、その後、東京オリンピックの開会式にダンサーとして出演するなど、若くして大きな舞台を踏んできた。

「小さいころは劇場の雰囲気を再現しようと、よく和室で家族にダンスを披露していた」と振り返った櫻井さん。

 この話を聞いた平田さんは、「うちの子も、家でピアノリサイタルをやっていますね。舞台を観る機会が多いから、アナウンス部分から全部やっている(笑)」というエピソードを披露。幼少期の体験の重要性についても語られた。

 進路選択にあたり、当初は自身にフィットする選択肢が見つからなかった。その後、兵庫県に舞台芸術と観光を実践的に学ぶことができる公立大学としてCATができることを知り、高校卒業後から開学までの1年間はダンスカンパニーで研さんを積んだ。

 翌年、晴れてCAT1期生として入学したが、ダンス専攻ではなくあえて観光を選択した。「人生の2年間は別のことを学んでみたい(専攻は3年次からスタート)」という好奇心と自己成長欲が原動力だった。この選択が、のちの多様な活動につながる礎となった。

 兵庫・和田山にある少年サッカーチームから依頼を受けて身体パフォーマンスを向上させる指導を行ったほか、竹野浜では漂流物をモチーフにワークショップを開催するなど、大学での学びをいかし、地域との関係性も深まった。

 豊岡市江原でのアートプロジェクト『ヘンテコウィーク ふしぎが集まる1週間』では、地元の父親たちとともに踊るパフォーマンスや、逆立ちワークショップなども企画。地域に根ざした芸術活動を通じて、アートの可能性が広がるのを実感した。

「都会から離れた場所で芸術をやることで、自分のペースを大切にすることができた。シェアハウス(江原101)での生活でも、地域のいろいろな方々と交わることができました。閉鎖的ではない芸術の可能性に手ごたえを感じました」(櫻井さん)

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